JAの活動:JA緊急アンケート
真の農政活動の確立を【コロナ対策に学ぶ(7)】2020年9月10日
要望の把握を的確に
JA緊急アンケートでは、「政府・農政に対する要望」を聞いた。結果は「適時適切な情報発信」74.7%、「経済活動とのバランスのとれた感染症対策」68.1%、「食料自給率の向上」58.8%、「自粛に伴う休業補償等の明確化」39.6%、「農畜産物輸出国の制限等への厳しい対処」15.9%と続く。そのほか、米の在庫解消策(備蓄への買い入れ)、国内農畜産物の消費拡大、農産物輸送体制の強化などだった。「『責任はある』と言いながら何もしない首相」と言う声もあった。
組合員や役職員が抱える問題は常に変化することを認識して、農協への要望とともに政府・農政に対する要望を常に把握することが重要である。
誰もが参加できる活動へ
アンケート調査では、「組合員の営農と暮らしを守るための全国的な農政活動を展開する体制の確立」を求めているのであって、これまでのような「政権・政党を支持する全国的な政治活動体制」を求めているのではないことを、誰もが正しく認識しなければならない。
なぜなら、これまでのような、全国的な農協による農政活動、という名前を借りての、実際は全国的な農協による「政権・政党を支持する政治活動(農政活動ではなく)」がもたらした結果が、「農協改革への政治介入」であったという認識を持つ必要があるからである。
農協のTPP反対運動に対する政府の報復処置ともとれる「政府主導の農協改革(農協から見れば改悪)」の総括・検証・反省・責任追及は無視され続けたことが重大である。
確かに、「農政を変えるには政権与党と組まなければならない」という理屈はあるだろうが、それは「農協は政治・宗教に中立な組織である」「組合員の個々人の政治・宗教に関係なく、誰もが参加できる組織である」という基本理念を理解していない行動だという認識が忘れられている。
政権与党を支持する農協には、それ以外を支持する組合員の参加を拒否しているという現実がある。それは、協同組合の結合力を弱め、運営への参加・事業への参加意識を弱めているという現実をよく見なければならない。
政権党支持活動から脱皮を
アンケートでは、「政府・農政に対する要望」では、多くの問題点と解決方法があげられたが、政治団体ではない農協の立場としての農政活動は、「組合員の営農と暮らしを守るための農政活動」を積極的に展開しなければならないことにある。このことを、全国の農協組織によって再確認しなければならない。
これらの農政活動を、全国的に組織力を持って取り組むことが強く求められる。とともに、政治団体ではない農協の立場としては、「組合員の営農と暮らしを守る農政活動」を進める重要性と、「組合員の政治的自由、政治的中立の立場にある農協」の認識である。「政権・政党を支持する政治活動」からの脱却、さらには「自らの農協改革」の実践による組合員を守る全国的・組織的な取り組みの時代が到来したと考えるべきだ。
つまり、「政権政党を支持する政治組織」から脱却し、本来の「組合員営農と暮らしを守る政策を確立する農政活動組織」として確立する時代が到来したと考える。あるいは、もっと積極的に農協あるいは協同組合政党を樹立する時代が到来したというべきかもしれない。
(JA十和田おいらせ理事・小林光浩)
(関連記事)
JA緊急アンケート
重要な記事
最新の記事
-
鳥インフルエンザ 愛知で国内40例目2025年1月21日
-
【JAトップ提言2025】「協治戦略」で共生に道 JAはだの組合長 宮永均氏2025年1月21日
-
【JAトップ提言2025】農業応援団と地域振興 JAいちかわ組合長 今野博之氏2025年1月21日
-
上場銘柄の加重平均価格は1俵4万6417【熊野孝文・米マーケット情報】2025年1月21日
-
JA相模原とJA佐久浅間が友好JA協定 2月10日に締結2025年1月21日
-
「第7回らくのうマルシェ」25日に開催 全酪連2025年1月21日
-
自社ウェブサイトが主要IRサイト調査にて高評価を獲得 日産化学2025年1月21日
-
腕上げ作業の負担軽減「TASK AR TypeS3」レンタル開始 アクティオ2025年1月21日
-
野菜価格高騰 野菜がお得に購入できる家計応援キャンペーン実施中 ポケットマルシェ2025年1月21日
-
「ノウフク商品」販売イベント 羽田空港第3ターミナルで開催中 日本基金2025年1月21日
-
地産全消「野菜生活100 福島あかつき桃ミックス」新発売 カゴメ2025年1月21日
-
「マイカー共済」4月1日から制度改定 こくみん共済 coop〈全労済〉2025年1月21日
-
新規水稲用除草剤「ウツベシMX ジャンボ/エアー粒剤」販売開始 シンジェンタ2025年1月21日
-
【機構変更及び人事異動】杉本商事(4月1日付)2025年1月21日
-
【機構改正・人事異動】ニッスイ(3月1日付)2025年1月21日
-
日本酪農の持続可能性 について討論 海外事例も紹介 研究会開催 Jミルク2025年1月21日
-
宅配接遇力を競うコンテスト開催 パルシステム東京2025年1月21日
-
松本まりか「紅のご褒美」千葉のさつまいもアンバサダー就任1周年記念発表会開催2025年1月21日
-
家族で「物流・ITおしごと体験」2月開催 パルシステム2025年1月21日
-
一日の疲れを吹き飛ばす 「ウルトラポテト 超サワークリームオニオン味」新発売 亀田製菓2025年1月21日