JAの活動:2021持続可能な社会を目指して 今こそ我らJAの出番
【特集:今こそ我らJAの出番】福岡県農業の総合力を活かす JA全農ふくれん 元気な地域農業をめざして 福岡県の取り組み(1)2021年1月4日
コロナ禍が深刻な影響をおよぼすなか、国民の命を支える食と農の脆弱性についての関心も高まってきている。とくに生産者の高齢化や減少が進むなか、これからの農業のあり方が問われている。しかし、JAグループは地方行政とも連携して、地域農業の再生・振興に長年にわたって取組んできている。そうしたなかから今回は、JA全農ふくれんを中心に元気な地域農業を目指している福岡県での取り組みを取材した。
この福岡県農業の現状分析に続き、乗富JA全農ふくれん会長、新谷JA柳川組合長のインタビューそしてJA糸島の山崎重俊組合長と糸島稲作経営研究会の井田磯和会長との座談会によって、元気なJAグループ福岡の現状を伝えていく。
博多和牛ローストビーフ
コロナ緊急対策「福岡県産ウェブ物産展」
JA全農ふくれんは、新型コロナウイルス感染症緊急対策として、JA全農が運営する通販サイト「JAタウン」内の「博多うまかショップ」において、県産品の多くの商品を特別価格で提供する「福岡県ウェブ物産展」を開催している。令和2年5月2日よりスタートした。福岡県のブランドである「博多あまおう」「博多和牛」「博多地どり」のほか、野菜セットや花、アイスクリームにいたるまで自慢選りすぐりの逸品の多くを通常価格の3割引で提供、売り切れの商品も出るほど人気となっている。目標として定めた販売金額1億円も年内に達成の見通しとなっている。
農産物取扱高865億円
JA全農ふくれんの取扱高実績(2019年度)は1269億円、うち農産物取扱高は865億円にのぼる。うち米穀の138億円に対して、野菜・花き323億円、果実262億円の合計が585億円と、米穀の4倍を超えている。すなわち生産額の大きい米・麦・大豆以外にも、おいしい野菜や果実、さらに花きの生産など福岡県産農業の多様性を担っている。
野菜ではまず、イチゴの「博多あまおう」である。その作付面積311㌶。販売量は1万363トン。販売単価は1キロあたり1513円で過去最高を更新し、16年連続日本一を誇る。販売金額は4年連続150億円を突破している。栽培面積の多い順に、青ネギ、ナス、トマト、キュウリ、アスパラガスと続く。露地野菜ではレタス、キャベツ、ほうれん草、こまつな、ブロッコリーの順で3670ヘクタールある。果樹では、温州ミカンの栽培面積が756ヘクタール。県育成品種「早味かん」が着実に増加している。柿の栽培面積は649ヘクタールで、県育成の「秋王」が推進品種である。さらに、ぶどう、梨、キウイフルーツと続く。花きは606ヘクタールの栽培面積で、その4割をキクが占める。特産で紹介したいのは「茶」である。栽培面積1540ヘクタール。特筆すべきは、一番茶(玉露)の価格が全国一であることだ。「八女(やめ)茶(ちゃ)」は平成元年度から6年連続で農林水産大臣賞を受賞した。「畜産」は乳用牛、肉用牛、養鶏、養豚と盛んである。『博多うまかショップ』でも紹介しているように、「博多和牛」「はかた地どり」「はかた一番どり」が知られている。
福岡県農林水産予算は616億円
福岡県農業とJA全農ふくれんの展開を支えるうえで、福岡県行政との一体的な連携が存在することも紹介しておきたい。福岡県はその農林水産予算が616億円と、全国第8位を誇るのである。
JA全農グループはその経営理念に「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋になります」を掲げている。JA全農ふくれんは、この経営理念を念頭に、「福岡県農業の総合力をどれだけ活かせるか」が自らの任務だと考えている。
福岡県農林水産物マップ
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