JAの活動:JA全国女性大会 花ひらく暮らしと地域 時代を変える女たち
【特集:第66回JA全国女性大会】合言葉は「できることからはじめよう!」加藤和奈 JA全国女性組織協議会会長に聞く2021年1月19日
JA全国女性組織協議会の今年度はJA女性組織3か年計画「JA女性 地域で輝け 50万パワー☆」の実践2年目となる。同計画では五つの重点実施事項として、「食を守る☆」「農業を支える☆」「地域を担う☆」「仲間をつくる☆」「JA運営に参画する☆」を提起し、国連が採択した持続可能な開発目標・SDGsとの関連を明確に示している。
新型コロナウイルス感染症が世界中に広がるなか、それぞれが思うように活動できない現状下においても「できることからはじめよう!」を合言葉に活動を再起動させ、この取り組みをさらに加速させている。Withコロナ時代に対応した女性組織の在り方や今後の活動について、JA全国女性組織協議会の加藤和奈会長に話を聞いた。
コロナ禍でも活動
――2020年のJA女性組織の活動についてお聞かせください。
JA全国女性協の会長に就任し1年弱が過ぎた頃に新型コロナウイルス感染症が拡大し始め、役員会を開くこともままならないような状態となりました。私たちの活動は、人と人とのつながりが基本ですが、コロナ禍で物理的なつながりが強制的に断たれたことで人のつながりの在り方が変化しました。JA女性組織の基盤も大きく揺らぐような事態となり、各地域のJA女性組織も大変な混乱を招いた1年となりました。そのような状態の中で、さまざまな活動ができないことを嘆くのではなく、できることからはじめることを女性組織メンバーに発信していきました。
昨年は総会も書面での開催となりました。コロナ禍の影響で活動の停滞や休止に追い込まれる中、JA全国女性協では、女性組織活動を再起動させるにあたり、「Withコロナ時代における新たなJA女性組織の活動指針」をJA全中と共同で提起しました。
その中には、活動再開の基本となる感染症に対する対策の記載はもちろん、スマートフォンやタブレット、パソコンなど使い、WEBやSNSを活用したメンバー交流や情報発信に積極的にチャレンジすることで、新たな活動の確立にも力を入れていこうと呼びかけています。
私たちJA全国女性協の役員も一堂に会した役員会を開催することが難しかったため、WEBを活用した会議をはじめました。最初は大変でしたが、回数を重ねるごとにWEB会議をスムーズに行えるようになりました。
SNSの活用で対応
――新しいJA女性組織活動で印象に残っている活動はありますか。
新たな活動指針を昨年9月に提起して以降、JA全国女性協のホームページ内で、「できることからはじめよう!~Withコロナ時代の新しいJA女性組織活動~」をテーマに、新たな女性組織活動を紹介しています。
その中でも印象に残ったのは、それぞれがつながりを大切にしているということです。例えば、電話を掛け合い元気な声を確認するアナログなことから、SNSで情報を発信し、それに対して感想を述べたりしています。どちらも地域ごとの活動に即したアイデアがみられ、新たなJA女性組織活動の可能性もコロナ禍でみえてきました。
このような状況下ですが、JA女性組織活動の停滞や休止を嘆くのではなく、再起動に向けた方法を模索する中で、新しい見方や考え方が生まれたことはとても大きな自信につながったと思います。
活動はSDGsそのもの
――SDGs(持続可能な開発目標)を意識した地域の課題解決に向けた活動の取り組みについてお聞かせください。
「私たちの活動は、SDGsそのもの!」という形でこれまでも発信してきました。一方でSDGsという言葉が一人歩きするのではなく、具体的にそれが何につながっているのかを考えながら活動を進めることができていると感じています。
コロナ禍においては、マスクや消毒液が不足し世の中が混乱しましたが、各地域のJA女性組織ではマスク不足に対し、密にならないよう工夫をしながらマスクを作製しました。そのマスクを福祉施設や医療機関などに提供するなど、この活動を通じてJA女性組織の活動がSDGsにつながっていることを改めて認識することができました。
なかなか思うように活動できない中でも、コロナ禍の今だからこそやらなければならないことがあると考えてきました。その中でも特に「食を守る☆」について考えてみると、輸入に頼っていたマスクや消毒液が不足し混乱を招きましたが、食料に関しては混乱が起きませんでした。コロナ禍にあっても生産、出荷し続けた私たちの仲間である生産者の努力をとても誇りに思っています。
JA女性組織が生産者の努力を地域の皆さんに伝え、そして、輸入に頼らず食を自分たち日本の農業で支えていくことの大切さを実感しています。このことは「農業を支える☆」「地域を担う☆」の活動にも当てはまります。
「仲間をつくる☆」では、それを発信するための仲間が必要です。若い世代のフレッシュミズの活動は、次世代に伝えてほしいバトンの一つと捉えています。
フレッシュミズは昨年10月、「子どもたちに『食』と『農』の価値を伝えよう!~今、フレミズだからできること」をテーマに、WEBによる交流集会を開催しました。食と農の価値を伝えていくことは私たちだけではなく、若い世代から次の世代につなぐことが大切です。そのためにも、「仲間をつくる☆」という活動はフレッシュミズの皆さんにも頑張っていただきたいです。
五つめの「JA運営に参画する☆」では、女性組織メンバーの正組合員比率、総代比率、役員比率の増加を目標に掲げています。JA全国女性協とJA全中が共同で実施した「JA女性役員調査」(2020年7月末現在)では、これら主要3目標すべてが前年の数字を上回り推移しています。
目標の正組合員30%以上、総代15%以上、理事等15%以上を目指す中で、着実に一歩ずつ前に進んでいることは大変うれしく思います。しかし、この数字が最終目標ではなく、JA運営に女性の声を伝えていくことこそが目標であるはずです。3年に一度のJA全国大会にも、女性のJA運営参画について盛り込んでいただきたいと思っています。
一歩ずつ活性化
――女性部の皆さんにメッセージをお願いします。
昨年はそれぞれが思い描いていた活動ができませんでした。何もできないことで気持ちや活動へのモチベーションが低下する時もあるかと思いますが、皆さんの「私たちにはやるべきことがある」という強い思いと前向きな気持ちがさまざまな活動を通じて伝わってきて、非常にうれしく思っています。今年はそのパワーをさらに強く、大きなものにしていきたいと思います。
重要な記事
最新の記事
-
宮崎県で鳥インフル 今シーズン国内12例目2024年12月3日
-
【特殊報】キウイフルーツにキクビスカシバ 県内で初めて確認 和歌山県2024年12月3日
-
パックご飯の原料米にハイブリッド米契約栽培推進【熊野孝文・米マーケット情報】2024年12月3日
-
第49回「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクール 各賞が決定 JA全中2024年12月3日
-
大気から直接回収した二酸化炭素を農業に活用 JA全農などが実証実験開始2024年12月3日
-
江藤農相 「農相として必要な予算は確保」 財政審建議「意見として承っておく」2024年12月3日
-
鳥インフル ポーランド4県からの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月3日
-
鳥インフル ニュージーランドからの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月3日
-
【田代洋一・協同の現場を歩く】JAみやざき 地域密着と総合力追求 産地県が県域JA実現2024年12月3日
-
今ならお得なチャンス!はじめようスマート農業キャンペーン Z-GISが4カ月無料 JA全農2024年12月3日
-
全農日本ミックスダブルスカーリング選手権「ニッポンの食」で応援 JA全農2024年12月3日
-
JAグループの起業家育成プログラム「GROW& BLOOM」最終発表会を開催 あぐラボ2024年12月3日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」クイズキャンペーン開始 JA全中2024年12月3日
-
日本の酪農家 1万戸割れ 半数の酪農家が離農を検討 中央酪農会議2024年12月3日
-
全国427種類からNO.1決定「〆おにぎり&おつまみおにぎりグランプリ」結果発表 JA全農2024年12月3日
-
JA全農 卓球日本代表を「ニッポンの食」で応援 中国で混合団体W杯2024開幕2024年12月3日
-
「全国農業高校 お米甲子園2024」に特別協賛 JA全農2024年12月3日
-
【農協時論】協同組合の価値観 現代的課題学び行動をする糧に JA全中教育部部長・田村政司氏2024年12月3日
-
「上昇した米価が下がらない要因」などPOPデータを無料配布中 小売店で活用へ アサヒパック2024年12月3日
-
料理キット「コープデリミールキット」累計販売食数が2億食を突破2024年12月3日