JAの活動:JA全国女性大会 花ひらく暮らしと地域 時代を変える女たち
【特集:第66回JA全国女性大会】大会によせて JA運営への参画を 萎縮せず積極的に着々と 中家徹JA全中会長2021年1月20日

中家 徹 氏
全国農業協同組合中央会代表理事会長
第66回JA全国女性大会が盛会に開催されますこと、心よりお喜び申し上げます。
昨年は新型コロナウイルス感染症に翻弄(ほんろう)された一年となりましたが、未だ収束のきざしを見せておらず、1月7日に政府より1都3県を対象にした緊急事態宣言が発令されました。このような中、本日の大会をはじめ、インターネットを活用して活動に取り組む女性組織のみなさまに敬意を表します。
また、近年大規模な自然災害が全国で続いており、「令和2年7月豪雨」では広範囲で被害に見舞われました。あらためて、一日も早い復旧・復興を祈念申し上げるとともに、今年こそは災害の無い、安心して暮らせる豊穣の一年となることを願ってやみません。
さて、コロナ禍で、集まることが制限され、女性組織活動が思うようにできない中、JA全国女性協では、活動の方向を示して、できることから活動を再開してほしいとの思いから、「Withコロナ時代における新たなJA女性組織の活動指針」を提起されました。
各組織におかれては、指針に沿ってウェブ会議やSNS活用に取り組まれており、引き続き様々な手段を試してほしいと思います。
組織基盤は減少が続いておりますが、女性組織の活動をJA内外に発信できるチャンスと捉え、萎縮せず、積極的に取り組んでほしいと思います。
今年は第29回JA全国大会を10月に開催する予定であり、現在検討方向と論点整理を行っております。
女性の運営参画については、第28回JA全国大会決議において前回大会の目標を引き上げ、「正組合員比率30%以上」「総代比率15%以上」「理事等比率15%以上」としました。
令和2年7月の調査結果(速報値)によれば、正組合員比率が22.7%、総代比率が9.8%、理事等比率が9.1%となっており、全ての比率が前年を上回っており、着実に成果が出ている状況です。目標達成に向け、JAグループとして積極的に女性のJA運営参画を進めていきたいと考えています。
私はかねてから「女性に見捨てられたJAに未来はない」と事あるごとに申し上げてきました。理事などへの就任は手段であり、そこから女性の意見をどのようにJA運営へ生かしていくかが今後のJAグループにとって重要となります。女性の視点や感性をJAに取り込むことができれば、JA自身も元気になれると確信しております。
女性の運営参画を進めるうえでは、やはりJAトップの意識変化が必要です。各地でいろいろな取り組みが行われていますが、女性が活躍する環境を整え、女性に頑張ってもらおうという意識をJAトップが持つことが必要です。
女性の活躍の場を広げることで、土壌や風土を育てることになり、好循環を生み出すでしょう。そのためには、まずはいかに火をつけるかがカギとなります。
一方、女性の意識変化も必要です。以前と比べ前向きになっていますが、まだまだ遠慮している女性が多いと感じております。JAの活動・事業に尻込みせずに、参加していただきたいと思っています。
役職を担うことへの抵抗が多い現状ではありますが、「役は人を作る」という言葉もあります。役職を務めた女性は、多くの方が良い経験になったとおっしゃいます。人脈づくりや、普段はできない体験や経験を積まれるからでしょう。引っ込み思案ではなく、ぜひ一歩前に踏み出して、積極的に参画する意識を持っていただきたいと思います。
JAに対するニーズは、今後ますます多様化していきます。女性と男性が手を取り合いながら、多様な意見を交わしていくことで、地域・農業を守っていくことができるでしょう。全国女性大会を契機として女性組織を活性化させ、ひいてはJA運動を牽引(けんいん)していく存在になっていただきたいと、大いに期待しております。
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