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JAの活動:全国集落営農サミット

【全国集落営農サミット】〈事例発表2〉人材の10年後を見える化2022年2月10日

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「次世代につなぐ集落営農の実践」をテーマにした第6回全国集落営農サミットでは、高知県四万十市の農事組合法人四万十川営農組合の武内幸男組合長が地域住民も法人活動に参加できる「サポーター制度」の取り組みを事例発表した。

農事組合法人四万十川営農組合 武内幸男組合長農事組合法人
四万十川営農組合
武内幸男組合長

非農家も話し合いに参加

高知県西部にある四万十市に所在し、四万十川中流域に位置する集落で、水稲の受託作業のほか、飼料用米やサツマイモを作付けている。組合員は33人だが、組合の規約でサポーター班を設けている。サポーターは組合員になれない非農家で、2人を登録している。

大規模高齢農家がリタイアするタイミングで行政の声掛けもあり、集落営農組織を作ることになった。組織設立準備委員会の人選の際、参加者から「農家以外も入れてはどうか」という意見があり、地域の役に立ちたいという移住者の非農家もメンバーに加わってもらった。2014(平成26)年に藤ノ川営農組合を設立。事前のアンケートでは加入する意向を示したのは10人だったが、組合員は28人となり、うち2人が非農家ながら加入してくれた。

設立後、法人化の協議を始めたが、農協法に基づく農事組合法人の組合員は農家とされているため、非農家は加入できないことが分かった。せっかく一緒にやってきたのにここで離れることはできないし、非農家を受け入れる体制がないと今後出てくる人材を受け入れることができなくなると思い、他の方法を探ることに。研修の機会に非農家から資金協力を得ている法人の存在を知り、関係機関に相談して議決権のないサポーター制度を導入するかたちで農事組合法人四万十川営農組合を設立した。

組織ビジョンのキャッチフレーズは「集落の農地を次世代につなげる」とした。このビジョンの中で、「誰もが参加できる環境作り」を記載し、ここにサポーターを位置づけている。

サポーターのうち1人はフォークリフト技能を持って活躍しており、もう1人もオペレーターや会計・事務局などを担当している。非組合員であるサポーターには、営農組合から人件費を支払っている。そのほか名簿記載以外の女性も、サポーターとして数人が野菜の収穫や加工・販売も行っている。

鳥獣被害対策の金網柵設置ではサポーターが主力となった。金網柵は延長13kmで急斜面に設置していった。こうした活動を目の当たりにして非農家も立派な担い手だと感じている。

今年、ネットワーク高知が実施したアンケート調査を受けて、組織の人材の10年後を役員で協議した。調査の前に、役員それぞれが頭に思っていた担い手を見える化し、組合員の定年帰農の可能性や非組合員の組合勧誘の対象者をリスト化した。そして、役員が今後、この候補者に組織活動へ参加するよう、声掛けしていくことになった。

回答する途中で、組合員の子弟だけでは担い手が足りない、非組合員も少ないと分かった。そこで、若者を雇用して役員にする目標を立てた。最大12人の担い手候補となったが、絵にかいたモチにならないよう、雇用を実現するために、経営規模を増やし、定年帰農やサポーターの活躍で10年後の雇用実現を目指したい。

具体的にはサル対策活動への参加呼びかけ、集落行事への勧誘、機械オペレーターの育成への勧誘などだ。また、次世代が農地管理できる基盤づくりとして、少ない人員で管理できる品目として水田への栗の導入などもJAの支援で取り組んでいく。人脈や経験を活かし組織を継続できるようかんばりたい。

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