JAの活動:第44回農協人文化賞
【第44回農協人文化賞 祝辞】農協人の心意気を伝承 (一社)農協協会 村上光雄会長2023年12月14日
コロナ禍により延期、変更を繰り返しておりました農協人文化賞も4年目にしてようやく当初の計画どおり表彰者が決定し表彰式の運びとなりました。
まずもって第44 回農協人文化賞受賞者の皆様に心から敬意を表しお慶び申し上げますと共に、ご推薦いただきましたみなさまのご協力に感謝しお祝いを申し上げます。
また選考にあたっていただきました谷口信和選考委員会委員長をはじめ選考委員の皆様のご苦労に対し、敬意を表しお礼を申し上げます。そして物心両面にわたりご支援ご協力をいただきました多くの仲間と関係団体の皆様に厚く御礼申し上げます。
ご承知のとおり農協人文化賞は昭和52(1977)年農協法公布30 周年を記念して民間団体である農協協会を中心として農協運動の仲間たちが独自に創設したものであります。その基本精神は農協運動の仲間たちが仲間の中から功労者を見つけ出し表彰しお祝いをして共に喜びを分かち合い、更なる農協運動の発展に寄与していこうというものであり、まさに協同組合精神に則った崇高な賞であります。
今回受賞された皆様はまさにこの精神にふさわしい方々であり、それぞれの地域、分野において厳しい経営環境にあっても仲間と共に知恵と汗を出し合い、農業と地域社会そして農協の発展に貢献された方々であります。改めてそのご尽力とご苦労に対して敬意と感謝の意を表する次第であります。
さて、新型コロナ感染症は感染法上の位置付けが5類に格下げされたもののしぶとく拡散を続け、インフルエンザの流行と相まって、依然として予断を許さない状況が続いています。そしてウクライナ戦争も出口の見いだせないまま泥沼化しているところへ、ハマスのイスラエル攻撃が勃発し、またしても中東情勢が動乱の時代へと突入しました。このように世界中至る所で民族の対立、憎悪、破壊、殺戮、戦争といった悪魔が渦巻いており、こうした悪魔の連鎖を断ち切り平和な世界を実現するための冷静な対応が求められるところであります。そして今となっては無力で地道かもしれませんが粘り強い話し合いと協力の力しかないように思えてなりません。
一方、我が国では日銀総裁が替わっても、内閣が替わっても〟異次元の円安〟は変わらず、食料品をはじめとする諸物価は高騰を続け、庶民の生活は一段と厳しさを増しています。そして我々の農業も諸資材が高騰しているにもかかわらず、価格転嫁できず厳しい状況が続いています。また、危機的な食料自給率のもと食料安全保障が叫ばれながらも国民的な議論にはならず基本法への位置付けが危惧されるところであります。
このように我々を取り巻く状況は内外共に厳しい状況が続いていますが、それでも農協の現場では組合員の営農と生活を守り明るく豊かな地域社会の実現に向けて地道な涙ぐましい取り組みが続けられています。こうした方々に光をあて勇気づけていくのが農協人文化賞の意義であり使命でもあります。
お世話をさせていただいております農協協会としてもその役割をしっかりと受け止めて、できるだけ多くの仲間に参加参画していただき、農協人の心意気を伝承し発展していきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
終わりに、受賞された皆様方に重ねて心からお慶びを申し上げ、今後ますますのご活躍とご健勝をお祈りしてお祝いの詞とさせていただきます。
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