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JAの活動:【2024年新年特集】どうする食料・農業・農村・JA 踏み出せ!持続可能な経済・社会へ

【提言2024】新たな時代に備えを 外交評論家 孫崎享氏2024年1月9日

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2023年、世界は地球沸騰化の時代に突入、地上ではロシアのウクライナ侵攻が続き、さらに中東情勢も深刻化、混迷と対立が深まるなかで2024年を迎える。本紙新年号は「踏み出せ! 持続可能な社会へ」をテーマに、世界情勢と日本の未来を見越して、農政をはじめとした政治、政策、そして農業協同組合への提言を幅広く識者に発信してもらう。

外交評論家 孫崎享氏外交評論家 孫崎享氏

今、世界は大変動期にある。ウクライナ戦争、ガザでのハマス・イスラエル間戦争、そして台湾問題・経済問題をめぐる米中の対立がある。第2次大戦以降、同時にこれだけの混乱が世界の各地で勃発したことはない。なぜこうした現象が起こっているのか。

混乱の最大要因は米国の後退である。ソ連が崩壊した後、東西対立は消滅した。それまで「米国圏」と「ソ連圏」の対立があったものが「米国一極支配」になった。そして新たな秩序が構築された。その秩序とはどういうものか。

安全保障・外交関係分野において、米国で最も権威ある学者はハーバード大学ケネディ行政大学院初代院長であったアリソン教授であろう。彼は2020年次のように指摘した。

「全世界が事実上のアメリカ圏となった。強者(米国)は依然として自分たちの意思を弱者に押し付けた。世界の他の国々は主に米国の規則に従って行動することを強いられ、さもなければ壊滅的な制裁から完全な政権交代に至るまで、莫大な代償に直面することになった」。日米関係はその最たるものである。

しかし、この米国支配体制は崩壊した。2023年米国の情報機関CIAは購買力ベースのGDPで米国211兆ドル、中国249兆ドルとした。さらにG7合計は

409兆ドル、非G7上位7カ国合計493兆ドルである。米国及びG7の優位性は崩れた。それは当然外交・軍事面に現れる。

米国はNATOを拡大し、ロシアを軍事的に抑え込もうとし、ロシアが反発しウクライナ侵攻となった。米国・イスラエル連合が軍事で完全に抑え込んだと思ったところに、ハマスのイスラエル攻撃が起こった。台湾問題では、中国はある一線を越えたら軍事行動をとるというレッド・ラインを示した。

世界は変化している。米国一極支配は終わった。米国に隷属していれば安泰という時代は終わった。経済面では中国が米国の上になった。その情勢を踏まえ「新たな時代」に備える「踏み出し」が必要となっている。

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