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JAの活動:食料・農業・農村 どうするのか? この国のかたち

【現地レポート・茨城農業に迫る】農の「付加価値」をPR 全農茨城【食料・農業・農村/どうするのか? この国のかたち】2024年7月31日

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温和な気候と広大で平たんな大地。豊かな自然に恵まれた茨城県。農業は地域の基幹産業として重要な位置を占めている。2021年の農業産出額は4260億円で全国第3位。内訳は園芸が51%、畜産が31%、米が14%。東京中央卸売市場における県産品の青果物取扱高は2004年から20年連続第1位であり、東京などの首都圏の台所を支えている。メロン、栗、レンコン、鶏卵、ピーマン、干し芋、小松菜、ミズナ、チンゲンサイ、セリ、ネギなどは全国1位で、カンショ、梨、レタス、ハクサイなどの生産量も多い。多種多様な品目が多いことが特徴だ。農産物直売所や農産加工、観光農業などの農業生産関連事業も盛んだ。
しかし、同県でも人口減少と高齢化が進み、農業生産基盤が弱体化し、生産資材価格の高騰が追い打ちをかけており、全国共通の課題、問題と同一だ。
こうした農業情勢を踏まえ、県では昨年5月に30年後を見据えたグランドデザイン「茨城農業の将来ビジョン」を策定し、「もうかる農業」の実現や「有機農業といえば茨城」というポジションの確立、輸出を意識した産地の育成などの新機軸を打ち出している。
農協は今後の地域農業をどうしようとしているのか。生協は農産物の流通にどう対応し、農業、農政の動きをどう考えているのか。今月初めに全農茨城県本部と3農協、2生協のトップに聞いた。
(本紙客員編集委員 先﨑千尋)

ポケットファーム「どきどき」新装

売り場がひろくなったポケットファーム「どきどき」売り場がひろくなったポケットファーム「どきどき」

全農茨城県本部の前身の茨城県購買組合連合会は1930年に設立され、52年に茨城県経済農業協同組合連合会となり、2003年に全農と合併した。同本部の事業は、県内の農家組合員が生産する米・青果物・畜産物の販売と生産資材、生活資材の供給、営農指導などで、23会員。2023年度の取扱高は、販売・購買合計で1754億円。園芸事業が全体の63%を占める。

事業における系統利用率は概ね、肥料が56%、園芸が45%、農薬が30%など。全国の全農県本部が直営する7店舗のうち2店舗が茨城にあり、茨城県本部に隣接する「ポケットファームどきどき茨城町店」は、自然、農業、食べ物をテーマにした農業体験型レジャー施設として2000年に開店し、全国の新しいスタイルの直売所のさきがけとなった。県本部長の鴨川隆計氏に話を聞いた。

農政、所得政策が基本

――国は「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに有機農業の面積を100万ha、全国の農地面積の25%に拡大するとしました。

鴨川隆計県本部長鴨川隆計県本部長

鴨川 最初は驚いた。25%と大きな野心的な目標を提示することによって、日本も全体的に環境にやさしい農業を展開していくという流れをつくる。そういう方向に向かっていくというのはインパクトがあった。

茨城県は、その地域性から様々な農業が行われています。茨城県本部としては、協同組合の一員として、その様々な農業に真摯(しんし)に向き合っていきたい。慣行農法と環境に配慮した農業の共存。その中で、特に環境や循環型を意識した資材の開発や積極的な登用を進めたいと考えている。

――先の国会で、食料・農業・農村基本法が改正されました。これについてどう受け止めていますか。

鴨川 新しい農業基本法って、うまくまとまっていると思う。ただ、食料安定供給が安全保障になったために意味合いが少し変わって、国際情勢を踏まえ、食料を経済活動の中でどう捉えていくかということが強調されたように思う。本来、国内の農業者に向き合って、そこをどうしていくのという論点が足りないと感じる。

我々の基本は、自給率をどう上げていくのかだと思う。国内の自給率向上が大切で、そのためには米の消費拡大と計画的な穀物の生産調整を図ることが重要だと思う。そして、国内需給を整えるために余剰分を海外に輸出していく。「瑞穂の国」に戻すことが理想だ。

農畜産物を輸出していくには、付加価値やサプライチェーンを見直すことで農家の手取り向上につなげていくことが大切だ。主役は農家だ。

――農水省の統計によれば、ほとんどの農産物で生産者の労働費が国の定めた最低賃金を大幅に下回っている。農業では食べていけないのが現状だ。今回の改正基本法では所得政策が弱いのではないかと思うが。

鴨川 これまでは、生産費の中で物財費だけを考え、人件費のことをあまり意識してこなかった。農畜産物は需要と供給で値段が決まるんだと思ってきた。しかし今は相対取引が主流になっていて、これだけの手取りがないと営農を継続できないとコツコツ話し合って、相手に理解してもらうことが大事だ。

そのためには農家が生産費をしっかり把握し、計画的な生産と計画的な販売をしていくことが必要だ。

――県農政への期待、注文はありますか。

鴨川 農業県だけあって、県議会でも「茨城県主要農産物等種子条例」や「茨城県食と農を守る条例」を定めてもらった。これから行政や議会に期待することは、農地の確保と、民間ではできない生産基盤づくり、そして無作為なソーラーパネルの制限かな。

情報共有と食育の場

――「ポケットファームどきどき」は、県産農畜産物の発信拠点として、スタートしました。最近リニューアルしましたが、効果は出ていますか。

鴨川 コロナ感染症の影響を受け、ずっと赤字だった。数年かけて地場産品を多く並べられるように売り場を見直して、通路も広げ、茨城町店ではパンの売り場を移設して、レストランもバイキング方式からカフェテリア方式に切り替えた。

動物村は家畜伝染病等のリスクヘッジとしてやめて、茨城町店、牛久店とも概ね10億円の売り上げで黒字になった。年間の来場者はどちらも30万人程度。

「どきどき」は、単なるスーパーのような物売りとしての直売所ではなく、生産者と消費者相互に情報を共有する食育の場でもあり、地元の農畜産物を買いつつ、いろんな情報を仕入れてもらって、自然の中で安らいでいただく。

そのために、茨城町店は雑木林にアジサイや紅葉を植栽し、遊歩道も設置しました。レストランを借り切ってのピアノコンサートや歌手を呼んでの野外コンサートなどイベントを通して、地元との交流の場になればと思っている。

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