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JAの活動:第30回JA全国大会 持続可能な社会をめざして

【座談会】食と農の原点守る協同の力(1)【第30回JA全国大会特集・持続可能な社会をめざして 協同組合が地球を救う】2024年9月27日

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第30回JA全国大会を前に持続可能な社会や協同組合の意義などを話し合ってもらった。出席者は日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会理事長の古村伸宏氏と(一社)農協協会会長の村上光雄氏。司会は文芸アナリストの大金義昭氏。

【出席者】
日本労働者協同組合連合会理事長 古村伸宏氏
(一社)農協協会会長 村上光雄氏
司会・文芸アナリスト 大金義昭氏

左から文芸アナリスト・大金義昭氏、日本労働者協同組合連合会理事長 古村伸宏氏 、(一社)農協協会会長 村上光雄氏左から文芸アナリスト・大金義昭氏、日本労働者協同組合連合会理事長 古村伸宏氏 、
(一社)農協協会会長 村上光雄氏

小さな協同重ね「つながる」世界に 古村氏

大金 エマニュエル・トッドというフランスの歴史人口学者は「もうとっくに第3次世界大戦が始まっている」と唱えています。こうした深刻な時代の危機に協同組合は何をなすべきか。この秋の第30回JA全国大会や来年の「国際協同組合年」を前に、改めて基本的な視点やご意見を聞かせていただけますか。

村上 「第3次世界大戦」が始まっているかどうかは分からんけれど、核兵器がいつ使われてもおかしくない。ウクライナにせよ中東にせよ、対立が戦争や紛争に発展し、怨念が積み重ねられていく「悪魔の連鎖」をどこで断ち切るか。宗教に期待したいが、宗教対立は激化するばかりで不可能。残るは「協同の力」しかない。相互理解・相互扶助の協同組合運動を粘り強く訴え、展開して、協同により持続可能で平和な世界をつくっていくことが私たちの役割です。

日本労働者協同組合連合会理事長 古村伸宏氏日本労働者協同組合連合会
理事長
古村伸宏氏

古村 2012年からこんなに短いサイクルで、再び「国際協同組合年」が設けられるのも危機の裏返しです。国連事務総長のスピーチ・ノートには「協同組合はあらゆる人びとをエンパワーメントする」と書かれています。既存の協同組合がどうのこうのというよりも、多くの人びとが協同組合に参加・参画することで危機を乗り超えていくパワーを生み出していきたいというのが、拡大解釈かもしれないけれど、スピーチ・ノートに込められたメッセージではないか。

戦争の危機の根底には「支配―被支配の問題」があり、コロナ・パンデミックや気候危機は「持続可能性の問題」です。

村上 来年は「敗戦80周年」になる。日本では「終戦」と言い換えているけれど、「敗戦」についてしっかりと反省すべき昨今の時局にある。沖縄が地上戦にさらされ、広島・長崎に原爆を落とされ、さらに多くの都市が空襲を受けた末に「敗戦」を迎えた。二度と戦争をしてはならない。「協同組合で平和な社会を!」というのが私たちの目的ですが、原点は「敗戦」です。だからこそ、武力ではなく外交努力、そして「専守防衛」が基本でなければならない。

大金 ところが、財務省の資料により2025年度予算の「概算要求」を見ると、防衛関係費8・5兆円、農林水産費2・4兆円と、防衛関係費が飛躍的に膨張し、農林水産費の3・5倍強に達して未曽有の「軍拡時代」に突入している。「規模拡大」一辺倒で農業を衰退させてきたように、「軍備増強」一辺倒では戦争の危機を深刻化させるだけです。今や生産基盤が弱体化し、主食の「米不足」さえ浮上して、国内農業は「絶滅の危機」に追い込まれている。このような現状に、協同組合の立場からどうアプローチしていけばよいのか。

(一社)農協協会会長 村上光雄氏(一社)農協協会会長
村上光雄氏

村上 人びとの命にかかわる「食と農」の視点から、政治・経済・社会の在り方を根本的に洗い直す必要がある。それが本来、改正食料・農業・農村基本法の狙いであるはずだが、戦後農政や自給率の低迷に対する総括もなければ、直接支払い(所得保障)への言及もなく、食料の安全保障は輸入や輸出の振興などに頼るといった内容にとどまっている。

農業はすべての暮らしや仕事の始まりであり、原点・原型なんです。それが「作る人」と「食べる人」とに分化して「支配―被支配の関係」が生まれた。しかし今なお、家族を中心に農業を営んでいくことが地域社会の基礎なんですよ。

そのためにも「多様な担い手」は不可欠です。国民のすべてが農業者になるわけにはいきませんが、せめて誰もが農業に関心を持つ。少しでもいいから作物を育ててみる。そうした「農的な暮らし」を手掛かりに、食料・農業・農村のあり方をみんなでしっかり考えていくことがひいては「世界の平和」にもつながるわけで、食料はできるだけそれぞれの地域や国で自給したい。そのためにできる協同組合の仕事は山ほどある。

古村 大航海時代あるいは植民地主義、もう一つ加えると株式会社というシステム。この三つが欧州の国家を構成しながら世界展開するなかで、「支配―被支配」の構造を世界中に生み出した。協同組合というシステムは産業革命から少し遅れて登場し、その矛盾に抗してきました。私たちのワーカーズコープも「小さな協同」を積み重ねながら、働く人たち同士の関係を「縦の関係」から「横の関係」にしていく、いろいろなチャレンジをしてきました。「自分たちがやっている仕事は誰のため、何のためか」。これを掘り下げ、根底から問い直していくことが、関係のあり方を「縦から横へ」と移行する契機です。

ワーカーズコープの保育園や学童保育・児童館、介護など多くの現場で「小さな農業」をちょっとずつ挑戦しています。子どもの時期に農や食に関わる体験なり、環境をつくっていく。サークル活動みたいな小さな規模が圧倒的なんですけれども、それでも収穫して分け合ったり自給したりすることが小さい一歩だけれど、すごく大事なことだなと思っています。

それとSDGsとの関連でいえば、海外の環境問題は森林の乱伐などが多いのですが、国内では森も農地も家も使わなくなってほったらかし。「使っていない資本」にどう光を当てるかという課題も浮上しています。

【座談会】食と農の原点守る協同の力(2)へ続く

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