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JAの活動:2025国際協同組合年 持続可能な社会を目指して 協同組合が地球を救う「どうする?この国の進路」

【2025新春トップ座談会】営農畑出身全国機関会長の思い JA全農折原会長・家の光協会栗原会長・大金義昭氏(1)2025年1月9日

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今年は巳(み)年。巳年生まれの人は、知恵深く粘り強い性格を持つと言われる。JA全国機関の会長で、奇しくもJAの営農指導員出身であり「年男」でもあるJA全農経営管理委員会会長の折原敬一氏と(一社)家の光協会会長の栗原隆政氏に、今後の農に思うことを体験を交えて語ってもらった。司会は文芸アナリストの大金義昭氏。

農家に学び農協運動の糧に 「現場が職場」肝に信頼醸成

左から文芸アナリストの大金義昭氏、JA全農経営管理委員会会長折原敬一氏、(一社)家の光協会会長 栗原隆政氏左から文芸アナリストの大金義昭氏、JA全農経営管理委員会会長折原敬一氏、
(一社)家の光協会会長 栗原隆政氏

【出席者】
JAグループ山形3連共通会長JA全農経営管理委員会会長 折原敬一氏
JA鳥取県中央会会長(一社)家の光協会会長 栗原隆政氏
司会・進行 文芸アナリスト 大金義昭氏

産地化の勃興期 篤農家の力借り

大金 ご出席の折原さんと栗原さんは営農指導員としての体験を共有し、それぞれの立場でJAグループにおけるリーダーシップを発揮しておられます。この機会に「営農指導の現場からみた協同活動の原点」について、こもごものエピソードを交えながら忌憚のないご意見をお聞かせください。

ご承知の通り『農協法』は第10条1項の筆頭に「組合員のためにする農業の経営及び技術の向上に関する指導」を掲げ、JAは「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域活性化」などに全力を傾注しています。この企画を発案してくださった栗原さんから、先ずは口火を切っていただけますか。

栗原 営農指導員は日々大変な仕事に追われていますが、JA職員の「花形」ですから、この仕事に携われるのは幸せなことです。私は職員を30数年間経験し、そのうち営農指導員を10年務めました。当時は土曜も日曜もなく、「早く代われないかな」と内心思ったこともありましたが(笑)、「人には経験できないことが、いずれは何かの役に立つはずだ」と思い直しました。

大学を卒業したとはいえ何も分からん状態で、最初は先輩について農家を回る。一人で回るようになっても、分からんことは分からん!(笑)。しかし、ウソをついたらいけん。いつも「分かりません」というわけにはいかないので、多少ハッタリで切り抜けた時もありましたが、後からしっかり必ずお伝えしようと、すぐに確かめて間違っていたら正直に訂正していました。

大学は果樹、梨が専攻でした。入組してからは果菜を担当しました。スイカ、メロン、イチゴ、キャベツ、ブロッコリー、白ネギ、ナスなどです。果樹と畜産と米は別の担当者がいました。

折原 私は、高校を卒業して1年、県の講習所で学びました。農家の長男だったので親はすぐに就農してほしかったようですが、これからのことを考え、合併前の地元のJA尾花沢市に入組しました。配属先が、当時の名称では「農産指導部」でした。

水稲担当でしたが、ちょうど機械田植えなど新しい技術体系が確立されつつあった頃で、先輩に引っ張り回されながらのスタートでした。併せて、スイカをブランド化しようという動きが始まりました。もともと養蚕地帯だったのですが、養蚕の衰退に伴い、水稲と畑作を振興し、昭和50年代半ばには畜産団地の構想も動き出しました。

農業構造改善事業でスイカの選果施設や育苗センターの建設、畜産団地の造成に取り組み、私は行政との窓口を担当しました。米も含めて100億円を超える販売を目ざしました。何と何を組み合わせて農業所得を向上させるか、現場に入りながら話を進めました。

栗原 JA鳥取中央は米と野菜と果実と畜産とがバランスのとれた地域で、今は170億円ほどの販売高です。合併前のJA倉吉市の頃は果菜、果樹、米穀、畜産の営農指導員が別々で、指導員の若返りと共に指導力が下がっていくなかで篤農家に助けていただき、「営農技術診断員制度」を設けました。課として技術センターが立ち上げられ、私は初代課長になり、農家の力も借りながらやっていこうと、診断員と一緒に現場を回りました。

営農指導員は組合員と酒を飲む機会が多い。私は「いい加減」が大嫌いで意見を曲げないから、たまにはけんかになる。しかし、けんかをした明くる日からは余計仲良くなる。腹を割って話すのが大事だなあと思いました。

【協賛】

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