JAの活動:2025国際協同組合年 持続可能な社会を目指して 協同組合が地球を救う「どうする?この国の進路」
【2025新春トップ座談会】営農畑出身全国機関会長の思い JA全農折原会長・家の光協会栗原会長・大金義昭氏(3)2025年1月9日
今年は巳(み)年。巳年生まれの人は、知恵深く粘り強い性格を持つと言われる。JA全国機関の会長で、奇しくもJAの営農指導員出身であり「年男」でもあるJA全農経営管理委員会会長の折原敬一氏と(一社)家の光協会会長の栗原隆政氏に、今後の農に思うことを体験を交えて語ってもらった。司会は文芸アナリストの大金義昭氏。
技術革新の進展もまず「農家のため」
JA鳥取県中央会会長、(一社)家の光協会会長 栗原隆政氏
大金 お二人とも2017(平成29)年に組合長になり、その後、それぞれ全国機関の会長に就任しますが、常に「現場・現状・現物」の「現場主義」「現場目線」を重視しておられるように感じる。
折原 JA合併を始め、その後いろいろあって、地元に請われ、54歳で職員を辞し、専務になりました。組合長、県連会長を経て全国連の会長を仰せつかったわけですけど、原点はやっぱり営農指導の現場です。現場にどんな課題があり、JAグループとして何をなせばいいか、とね。
栗原 折原さんとは同い年ですが、経歴も似ています。私は役員から「将来は組合長になるように頑張らにゃいけんよ!」と言われながら育ってきました。52歳の時に決心し、一度立候補したんですが、その時は通らなかった!(笑)。55歳の時に再び立ち、常務になりました。
「営農だけは良く知っとるけど、信用・共済など他のことはちょっと」という感じだったので、しっかり勉強しました。当時は営農指導で生まれた組合員との信頼関係から、共済推進の成績も良かった!(笑)。全国連に出るとか、会長になるとかは全く思わなかった。だけど巡り合わせで、いつも組合員に助けられてきました。
大本は現場にある。常に「担い手」と話し合いをする姿勢でやっとるわけです。
大金 組合長在任中は、営農指導員にどんなメッセージを発信してきましたか?
折原 われわれの時代とは違っていますし、技術革新も進んでいます。ですけど、やっぱり課題は現場にあります。営農指導員は組合員と一番接点があって現場の生の声を吸い上げられるので、JA内でどんどん提案できるような活発な職員として育ってほしいと励ましてきました。
一人で抱え込んだって問題は解決しません。パソコンをいじっていれば仕事した気になってしまいますが、「現場に出向く」ことが大事です。「現場目線」をJA事業に反映できるような流れや仕組みをつくるためにも、頑張ってほしいとね!
大金 JAにとってのグッドニュースもバッドニュースも、営農指導員が真っ先にキャッチする立場です。
折原 単協は総合事業体として信用・共済事業もやっているわけなんで、営農・経済事業だけじゃない。「営農指導員なので他のことはわからない」と返すのは簡単だけど、そう言ってしまったら、組合員との次の接点がなかなか見出せない。その場で答えられない問題や課題はJAに持ち帰って上司や仲間に相談し、必ず自分から答えるようにする。あるいは分かるものから答えさせることが組合員の信頼を得られる道ですね。
栗原 営農指導員と話す機会には、私の体験にも触れ、確かにえらい(大変だ)が経験は自分自身の血や肉になり無駄にならないと、またJA事業にも組合員のためにもなるんだと強調してきました。仕事を通して数多くの人びとと信頼関係が築けるありがたい仕事なんです。毎年「どの品目の作付けは何ヘクタール」という産地計画を組むわけですが、直近の課題でもある「地方創生総合戦略」にも全力を挙げてほしい。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】小麦、大麦に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年4月22日
-
米の海外依存 「国益なのか、国民全体で考えて」江藤農相 米輸入拡大に反対2025年4月22日
-
【地域を診る】トランプ関税不況から地域を守る途 食と農の循環が肝 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年4月22日
-
JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト 子育て、災害、農業のチームが事業構想を発表(1)2025年4月22日
-
JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト 子育て、災害、農業のチームが事業構想を発表(2)2025年4月22日
-
米の品薄状況、備蓄米放出などコラムで記述 農業白書2025年4月22日
-
農産品の輸出減で国内値崩れも 自民党が対策提言へ2025年4月22日
-
備蓄米売却要領改正で小売店がストレス解消?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月22日
-
新入職員が選果作業を体験 JA熊本市2025年4月22日
-
JA福岡京築のスイートコーン「京築の恵み」特価で販売中 JAタウン2025年4月22日
-
米の木徳神糧が業績予想修正 売上100億円増の1650億円2025年4月22日
-
農業×エンタメの新提案!「農機具王」茨城店に「農機具ガチャ自販機」 5月末からは栃木店に移動 リンク2025年4月22日
-
「沸騰する地球で農業はできるのか?」 アクプランタの金CEOが東大で講演2025年4月22日
-
「ホテルークリッシュ豊橋」で春の美食祭り開催 東三河地域の農産物の魅力を発信 サーラ不動産2025年4月22日
-
千葉県柏市で「米作り体験会」を実施 収穫米の一部をフードパントリーに寄付 パソナグループ2025年4月22日
-
【人事異動】杉本商事(6月18日付)2025年4月22日
-
香川県善通寺市と開発 はだか麦の新品種「善通寺2024」出願公表 農研機構2025年4月22日
-
京都府亀岡市と包括連携協定 食育、農業振興など幅広い分野で連携 東洋ライス2025年4月22日
-
愛媛・八幡浜から産地直送 特別メニューの限定フェア「あふ食堂」などで開催2025年4月22日
-
リサイクル原料の宅配用保冷容器を導入 年間約339トンのプラ削減へ コープデリ2025年4月22日