【2021 正念場 水田農業】インタビュー・農林水産省・平形雄策農産部長 主食用以外の定着を支援(上)2021年2月9日
主食用米の需給と価格の安定に向けて2021(令和3)年産は過去最大規模の作付け転換を進めなければならない。毎年の需要減に加えてコロナ禍で外食需要などの落ち込みも需給に影響を与え、今後も不透明な状況が続くが水田農業は日本農業の基幹である。現場に求められる課題と水田農業への国の支援策について農林水産省の平形雄策農産部長に聞いた。
農林水産省・平形雄策農産部長
生産目安 修正の検討を
--主食用米の過剰が懸念されるなか、過去最大規模の作付け転換が生産現場に求められています。これまでの対応と現場の課題について聞かせてください。
農水省は昨年10月、9月15日現在の作柄をもとにした需給見通しを例年にない早い段階で示しました。そこでは次年産で10万haの作付け転換が必要という見通しだったわけですが、その後、10月15日現在の作柄をもとに需給見通しを改訂しました。同時に、次年産の議論を本格的にスタートしました。
具体的に主食用から非主食用へ作付け転換しなければならない面積は6.7万haとなりましたが、それでも過去最大級の面積の転換が必要です。当省も早めに情報を出すことにしましたが、JAグループには同じ危機感をもって議論をスタートしてもらいました。結果として、各都道府県や各産地に例年より早く、次年産に向けた検討に着手してもらうことに繋がったと考えています。
一方、対策については当初予算や補正予算で確保することになりますので、関連対策のスキームや見直しの方針を示すことができたのは12月になってからで、さらに具体的な交付単価や要件を示すことができたのは12月の中下旬になりました。各道府県の「生産の目安」は11月末から12月上中旬までにほぼ原案が作成されたので、次年度対策の具体的な単価などを見てもらう前に議論が終わってしまったというのが実態だと思います。
当省は、年末と年明けに2回、全国会議を開きました。各都道府県のほか、県中央会、全農県本部にも参加してもらい、オンラインでしたが数百人規模の会議になりました。そこでは令和2年度3次補正予算と令和3年当初予算を合わせ総額3400億円となった対策を説明しましたが、質問が多く、会議時間が延長になるほどでした。特に、今年度補正予算の「水田リノベーション事業」への関心が高く、かなりの活用が期待されます。
生産の目安については、全県で設定さているわけではありませんし、それぞれの目安の考え方に違いがあります。需要に応じた生産を各県で考えていただくという趣旨からも、国として総括するのはそぐわないと思っています。
ただ、目安が議論された時期からすると、例年どおりの対策が前提になっていたのではないかと思いますし、主食用米の在庫や販売動向は、刻々と変わってきています。今後、関連対策を前提にした作付けや出荷先の議論を進めていく中で、目安の修正も検討していただきたいですし、さらに具体的な作付け意向の把握と生産・出荷の見極めも進めていただきたいと考えています。
また、令和3年産の政府備蓄米については第1回(1月26日)の入札で99%以上の落札となり、とくに主産県で積極的に応札していただきました。まだ全部終わっているわけではありませんが、備蓄米の大方の動向は見えました。これからが、いよいよ本格的に作付け・出荷先の見極めに取り組んでいただく、いちばん大事な時期になると思います。
実需との連携を支援
--補正予算で措置された水田リノベーション事業について事業の概要や要件などはどういうものでしょうか。
水田リノベーション事業は、輸出や加工品原材料など新たな需要拡大が期待される作物の支援をしようという事業で、産地と実需者の連携がポイントです。補正予算ですから、年度内に売り先をきちんと確保し、その需要に応えるための低コスト生産などの取り組みに着手していただくというものです。
実需者ニーズに応えるための低コスト生産として、例えば直播栽培や土壌診断といったメニューに取り組んでいただくのですが、闇雲に生産するのではなくきちんと実需と結びついていることが求められます。水田活用直接支払交付金よりも実需との結び付きや低コスト生産といった技術対策をやっていただく、その分、単価は10a当たり4万円と水田活用直接支払交付金よりも高く設定しました。対象品目は輸出用米、加工用米、麦・大豆、高収益作物の4品目です。
水田リノベーション事業は、日本酒や米菓、パックご飯など新しく需要があり、あるいは輸出品として将来的に伸ばす余地のあるものに活用してもらえればと思っています。補助金なので、水田活用直接支払交付金と違って、要件を満たしていれば必ず交付されるというものではなく、輸出をはじめ将来に向けた需要拡大を進めていく取り組みをポイント制にして、予算の範囲内で採択するという仕組みです。
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