【クローズアップ:大豆】発酵のチカラで大豆脚光 究極の全農「無塩みそ」 酢プラス乳製品にも効能 農政ジャーナリスト 伊本克宜2021年7月12日
植物性タンパク質のエース・大豆に改めて注目が集まっている。栄養価、機能性に優れる上、主食米から転換する転作物の柱の一つ。水田農業確立にも欠かせない。大豆需要拡大へさまざまな新商品も目立つ。
国産大豆活用で注目集める全農新商品「発酵そみファ」
7月10日「納豆の日」
7月10日には〈なっとう〉の語呂合わせから「納豆の日」。この日を前後して食品スーパーを中心に、納豆の効能をPRする販促活動が盛り上がった。
もともと納豆パワーも広く知られ、雑誌での特集記事や、NHK「ためしてガッテン」などで驚くべき効能が報道されるたびに、消費が底上げされてきた。場合によっては、夕方には売り切れる店舗が相次いだこともある。
元祖・水戸の日本一奪還作戦
話題はいろいろ。納豆と言えば水戸。そんな神話が崩れかかっている。
2020年総務省家計調査で、一世帯当たり納豆の消費金額は上位に東北の主要都市が占め、水戸は何と全国5位に沈んだ。1位は福島市の7251円。以下、山形市、盛岡市、仙台市、水戸市と続く。
納豆は東北の伝統食として、古くから食生活になじんできた。冬場が厳しい東北にとって、納豆は保存が利き、肉・魚に代わる良質なタンパク質として重宝した。
だが、長年、消費トップだった元祖・納豆都市の水戸も巻き返しに動く。さまざまな日本一奪還作戦を展開中だ。そんな試みも話題を呼び、納豆PRにつながる。
コロナ禍で免疫機能に注目
納豆をはじめとした大豆は、コロナ禍で免疫機能面でも注目を集める。
特に納豆に含まれる5-ALA(5―アミノレブリン酸)というアミノ酸の一種がコロナ感染の強力な抑止効果があることが分かった。2020年初め、国立がん研究センターが日常的に納豆を摂取する層の死亡リスクが1割以上低下すると発表し、消費を底上げした。
キレート効果
カルシウムの吸収率を高めるキレート効果。酢を活用すると一段と高まる。
そこに注目した新商品が酢の製造大手で「金のつぶ」で知られる納豆メーカーでもあるミツカンの「酢納豆」。新聞各紙で「発酵のチカラ 酢と納豆のW発酵のチカラを毎日の健康習慣に」と広告を打った。納豆に特性だし酢たれを付けた。食品スーパーでも特設コーナーを設け販促を実施した。
キレート効果は、納豆やヨーグルトの発酵食品に酢を加えることで飛躍的に高まることは知られていた。ヨーグルトはこれにオリゴ糖などを加えることで食べやすく、乳酸菌や大腸でも活躍するビフィズス菌が活性化し腸内環境が良くなる。
納豆は酢を加え、さらに常温にしばらく置くことで納豆菌が活性化する。
全農「発酵そみファ」の衝撃
さらに、大豆の発酵食品で、新たな発想で衝撃を与えているのがJA全農グループの全農ビジネスサポートが山印醸造と開発した新商品「発酵そみファ」。全農のネットサイト「JAタウン」などで注文できる。
これまでの発想を転換し、革新的な技術で塩分ゼロを実現した。伝統食のみその風味を残しつつ、健康面に配慮したいわば「温故知新」型衝撃ソウルフード。
商品名の「発酵そみファ」は、食塩を使用しなければ味噌と表示できないため、〈そみ〉と語順を裏返しし、発酵の英語「ファーメンティーション」の〈ファ〉を付けた。さらに、なじみやすいようにドレミなどの音階と引っかけ〈そみファ〉としゃれた。
商品名の音符に絡め「発酵そみファの詩」も製作。全農ビジネスサポートの久保田治己社長自ら関わった。〈日本人は 身も 心も お米と 大豆で できているんです〉の歌詞が印象深い。
国産米、国産大豆使用で塩分ゼロ
ポイントは味噌の風味を味わいながら塩分を気にせず毎日食べることができる。健康増進を図りながら、原料は国産米と国産大豆なので、コメと大豆の消費拡大にもつながり水田農業の活性化にもつながる点だ。
「乳和食」とも相性いい
「発酵そみファ」は乳製品とも相性が良い。国産乳製品は需要拡大のため和食とも絡め、こく、だしを牛乳・乳製品で代替する「乳和食」を展開している。味噌、醤油は塩分が高いためだ。
だが「発酵そみファ」なら塩分を気にする必要もない。さらに、これとヨーグルト、酢を加えるとW発酵食品で健康、栄養の一石二鳥の効果が期待できる。「発酵そみファ」PRパンフレットでも活用例に「ヨーグルト一緒にキンキン(菌菌)朝食革命」を紹介している。実際に酢に「発酵そみファ」を溶き、ヨーグルトにかけるとこくと風味が増し食べやすい。
キューピーも大豆由来新食材
マヨネーズ大手のキューピーも大豆に注目した新商品を発売した。「HOBOTAMA」(ほぼたま)で、卵アレルギーに対応した代替食品だ。スクランブルエッグのような見た目と食感を実現した。卵は不使用。さまざまな料理に使用できる。豆乳加工品をベースにした。
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