【気候危機】7月の世界の平均気温 史上最高 国際気象機関が発表2023年8月10日
欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は8月8日、今年7月の世界の平均気温は史上最高となったことを確認したと発表した。
これまでの史上最高平均気温は2016年8月13日に記録した16.80℃だった。今年はそれを7月3日か31日までの29日間連続で上回り、7月6日には史上最高の17.08℃を記録した。
同機関は1940年代から2023年7月23日までの世界の一日ごとの平均気温を集計した(グラフ)。この80年間で確実に気温が上昇していることが見て取れる。また、パリ協定で目標とした気温上昇を工業化以前(1850~1900年)より1.5℃以内に抑えるという温度をこの7月は超えてしまっていることも示されている。
7月は南ヨーロッパを含む北半球の多くの地域で熱波が発生し、とくに南米諸国と南極大陸では平均気温がとくに高かった。
また、世界の海水面の温度も異常な上昇が4月から続いた。7月19日には2016年3月29日に記録した最高温度20.95℃に、わずか0.01℃及ばない20.94℃まで上昇した。海洋熱波もグリーンランド南部やカリブ海、地中海で発生した。
同機関のバージェス副所長は「これまで以上に頻発する強烈な異常気象は人々と地球の両方にとって悲惨な結果をもたらす。これら記録の主要因は温室効果ガス排出があり、削減のための野心的な努力が急務だ」と述べている。
世界気象機関(WМО)が8月3日に「異常な夏」についてのレポートを発表し、各国で史上最高気温を記録していることをまとめている。
中国では7月16日にトルファンで52.2℃の国内史上最高気温を記録した。
スペインではカタルーニャで45.4℃、イタリアのサルディニア島では48.2℃、アルジェリアで48.7℃、チュニジアで49.0℃などを記録した。
米国ではアリゾナ州フェニックスで、日中の気温が43.3℃を超える日が31日間続いた。国立気象局によると、夜間の最低気温は繰り返し32.2℃を超えたという。世界でもっとも暑いとされるカリフォルニア州のデスバレーでは7月16日に53.3℃を記録した。世界最高気温はデスバレーで記録した56.3℃となっている。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「北米、アジア、アフリカ、ヨーロッパの広大な地域にとって残酷な夏。地球全体にとっては災難である。人間のせいであることは明白で、すべてはこれまでの予測、度重なる警告と完全に一致している。唯一の驚きは、その変化の速さだ」と語った。
また、世界気象機関は7月27日に長期間の温暖化の進行でアジアはもっとも災害が頻発しやすい地域になると発表している。それによるとアジアでは2022年に81の水害など気象災害が起きて、5000人以上が命を落とし、5000万人が直接の被害を受けた。また、360億ドルの経済的被害も受けた。さらに乾燥地帯では砂嵐の影響で西アジアでは人々の命にも影響した。
干ばつと洪水が当たり前の災害となり、氷河の溶解は将来の食料と水の確保の脅威となるとするともに「フードシステムの回復力の強化は。アジアにおける最優先課題である」と強調している。
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