【23年を振り返って】気候危機!温暖化から沸騰化へ⑤今後10年で将来左右 立花義裕三重大教授×谷口信和東大名誉教授2023年12月20日
今後10年で将来左右
谷口 2050年までのゼロエミッションはどうお考えですか。
立花 50年では遅いです。30年までに温室効果ガスの削減目標が達成できなかったら、破滅とは言いませんが、全然違った世界になってしまいます。
谷口 30年後だと、いま計画を議論している人は現場にいませんし(笑)。かわいい孫のために何を贈るか、ですね。
立花 気候危機は今後10年の「自分事」です。熱心な人が1人いるよりも、少し頑張る人が100人いる方がいい。日本の気候危機対応はまだ「熱心な1人」状態なので、早く「少し頑張る100人」にしたい。
谷口 気候危機や有事への備えとも関連し、農水省は「総合的備蓄論」を打ち出しています。海上輸送中の船荷も、海外の倉庫や生産契約を結んだほ場も「日本の備蓄とみなす」というのです。これだけのんきなんですよ。
立花 みんな自分の国がかわいいんだから、海外にある食料はいざという時には日本に来ないでしょう。
谷口 私は、「家庭に1カ月分の備蓄をみんなが持つのがいい」と言っています。国民運動として。
立花 多少困った方がいいかもしれませんが、実際に困る時はお終いだから。第2次大戦で資源を全部止められたことを思い出してほしいですね。
谷口 来る年にむけ、最後に一言いただけますか。
立花 まずは気象現象に興味を持ってほしい。現象自体、面白いんで。異常気象で被害に遭われた方もいると思いますが、なぜこんなことが起きるのか。「?」はきっかけです。四季が「二季」にならないためにも、もっと気候危機問題に関心を持ってほしいと思います。
谷口 本日はドキドキするようなお話をたくさん聞けてうれしかったです。本当にありがとうございました。
気候問題の入り口に立つ
【対談を終えて】
▼深刻な異常気象がテーマだったが、濃密な対談は実に楽しく、あっという間に時間が過ぎた▼話は気候危機から教育や大学のあり方にまで及んだ▼近頃は天気予報でもかなり高度な気象に関する情報が流され、素人の私たちでもそれなりの知識はある▼線状降水帯・爆弾低気圧・エルニーニョ・ラニーニャ・・・▼でも正直なところ、それらの知識はバラバラで、地球温暖化との関わりはよく分からなかった▼立花教授はそれらを丁寧に結びつけて説明し、一つの統一的な自然現象として理解する入り口に誘って下さった▼気候危機を克服する上での第一歩はやはり知ることにあると強く感じた
(谷口信和)
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