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ドイツの中小農民団体が抜本的な農政転換を求める署名運動 農業政策の抜本的な転換を2024年3月12日

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より農民主体に、公正で、エロコロジーに!

ドイツの農業者の運動団体は、主流の「ドイツ農業者同盟」(DBV)とともに、中小農家の利益を代表し、国際農民運動団体ビア・カンペシーナに加盟する「農民が主体の農業のための行動連盟」(AbL)が活発な運動を展開している。そのAbLがこの年明けより「農業政策の抜本的な転換をーより農民主体、公正、エロコロジーに!」と題する、オラフ・ショルツ首相、セム・エズデミル農業大臣、クリスチャン・リントナー財務大臣宛の10万人請願署名運動を進めている。インターネット情報では3月9日現在で8万6264筆が集まっている。以下は、その請願署名を求める文書は以下の通り。(村田武 九州大学名誉教授)

ドイツの中小農民団体が抜本的な農政転換を求める署名運動 農業政策の抜本的な転換を

私たち農民の多くは現在、トラクターを持って街頭に出ている。抗議行動のきっかけは、農業用デーゼル燃料税の割引が廃止されることになったことだった。政府が予定していた割引廃止は部分的に中止されたものの抗議は続いている。というのも、農民の多くの憤りはもっと深いところにあって、農政の官僚主義や経済的展望のなさ、歯止めがきかない農家の離農、生物種や気候の保護などでは成果の乏しさなどに直面しているからである。

連邦政府は今、多くの農家が感じている不満の根本原因に取り組むべきである。そのために必要な農政対策をわれわれは、以下の6項目からなるプランにまとめた。ショルツ首相、エズデミル農相、リンドナー財務相は、われわれの求める対策を実施し、最終的に農業政策に必要な変化を起こしてほしい。これまで通りという選択肢はない。未来には変化が必要なのだ!

1 酪農家が生乳の適正価格を交渉できるようにする。酪農家と乳業メーカーの間の契約義務を履行する!
2 農家の畜産経営を、より動物福祉に沿った飼育方法への転換を支援する!
3 農地が農家の手に残るようにする。すでに大規模な農地を所有している者は、新しい農地購入では割り増し土地取得税を支払うべきである!
4 農家が環境保護でも収入を得られるようにする。-EU共通農業政策の生態系サービスに対するプレミアムは、農家所得に貢献しなければならない!
5 農業経営の数を増やし、その多様性を強化する。EU共通農業財政資金(CAP)は、社会的により公正な配分を確保する!
6  農家の所得の減少を防止する。そのためには、遺伝子組み換え作物のない市場を確保し、 遺伝子組み換えの厳格な規制を引き続き確保する!

なぜこれが重要なのか?

農業はよりエコロジカルに、畜産はより家畜の種類に適したものにならなければならない。そしてこの再編は、私たち農民の経済的展望と結びつかなければならない。私たち農民は、「農業将来委員会」や「畜産専門家ネットワーク」に参加している環境保護団体や動物福祉団体の代表者とともに、すでにこのことに合意してきた。しかし、現在の3党連立政権も前政権も、「農業将来委員会」などの勧告を十分には実施していない。また、エズデミル農相は就任当初、乳業メーカーや、屠畜場、製粉業者などとの価格交渉において、農民の立場を強化したいと発表したが、これは今日まで空虚なままである。それが農業経営の不満を引き起こし、われわれを農場から街頭へ連れ出しているのである。

ここ数十年の農業政策の結果は壊滅的である。環境保護と動物福祉を強化するために必要な改善に取り組むための資金と計画の保障が、農場には不足しがちである。その一方で、大規模な投資家が農地を買収して農地賃貸料を高騰させるとともに、気候危機が農耕をますますむずかしくしている。

政府による十分な資金提供や計画の保障が行われないなかで、経営の見通しが立たなくなり、農場が劇的に減少し続けている。とくに若い世代は農業を本当にやりたいと思っていても、実際に始める前に諦めてしまうことが少なくない。農業経営には所得と経済的展望が必要である。われわれは将来においても良好な食料を生産し続けたい。しかし、それは長期的な政治的バックアップがあり、私たちの生活が安定したものでなければうまくいかない。

私たちがどのように農業を営むかは、良い食料を生産するためだけに重要なのではない。ドイツとヨーロッパが環境、自然、気候、動物保護における目標を最終的に達成できるかどうかは、私たちがどのように農業を営むかにかかっている。農業に求められる再編のためには、多種多様な農場が必要である! 農業政策の行き詰まりは、私たち農業者だけでなく、環境保護や動物福祉にも悪影響を及ぼす。

現在の農民の抗議行動は、過去数十年にわたるこの政治的行き詰まりの最終的打破につながるにちがいない。ショルツ首相、エズデミル農相、リンドナー農相に訴える、必要な改革に取り組み、最終的に農業の流れを変えてほしい!

憎悪、扇動、人間嫌いのスローガンで右翼過激派グループは、農民の抗議行動を利用しようとしている。われわれは違う! 私たちはポピュリズム的なプロパガンダではなく、建設的な解決策を求めている。

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