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TPP交渉参加判断「絶対に認めることはできない」 自民の参加即時撤回を求める会が決議2013年2月19日

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 自民党の「TPP参加の即時撤回を求める会」は2月19日に会合を開き、22日に行われる安倍首相とオバマ大統領の日米首脳会談に向けて「この段階で首脳会談におけるTPP交渉参加の判断は、われわれは絶対に認めることはできない」とする決議を採択した。

◆6項目は一体のもの

2月19日、自民党本部で開かれた「TPP参加の即時撤回を求める会」の会合 自民党の外交・経済連携調査会は13日に「TPP交渉参加に対する基本方針」を決め、衆院選で公約した「聖域なき関税撤廃を前提にする限り参加反対」をはじめ自動車分野や国民皆保険制度など6項目の遵守を政府に求めた。
 しかし、政府内では「聖域なき関税撤廃」のみが交渉参加の条件と受け止められ、これが1人歩きするのではないかとの疑念が広がっていた。
 この日の会合では、外交・経済連携調査会では6項目は一体のものと同会の衛藤征士郎会長が確認したと指摘したうえで「政府からこれと違う解釈が出てきたら自民党は信頼を失う」との意見が出たほか、「聖域なき関税撤廃を具体的に示すべきだ」、「たとえば、これまで類似の経済交渉で守り抜いてきたものが守れないことになれば参加しない、との文言も考えてはどうか」と、FTA交渉で日本が除外してきた農産物が歯止めとの認識が必要、などの声が出た。
 また、農業以外にTPPがもたらす影響も強調された。
 「アジアの経済成長を取り込むというが、所得が低いアジアでは現地生産するしかなく日本から雇用が奪われる。デフレ脱却を実現するには雇用が大事。TPPでそれが確保できるのか」と守るべき国益は雇用だとの意見や、「国民皆保険を守るというだけでなく、混合診療の拡大は認めない、と明確にすべきだ」などの指摘も出た。

(写真)
2月19日、自民党本部で開かれた「TPP参加の即時撤回を求める会」の会合


◆農業改革とのすり替え許さない

 また、農業については一方で18日に産業競争力会議が構造改革を促進する方向を打ち出したことをうけ「攻めの農業は必要だが、TPP参加問題とすり替えてはならない」、「構造改革を進めればTPPに参加しても耐えられる、という幻想は捨てるべき」、「TPPに参加したとして国内の農業支持政策を自由に実施できるのか。守るべきものを自由に守ることができるのか、分かっていないではないか」などの意見もあった。
 議論をふまえ会合では「TPPへの対応について」と題する決議を採択。あわせて6項目についてさらに具体的な内容を盛り込んだ「守り抜くべき国益」を別紙で示した。
 決議では「政権公約を持して総選挙に勝利したわが党は、TPPにかかわる6項目を堅持しなければならない。また、過日外交・経済連携調査会が改めて決定した6項目はまさに一体のものである」、「政権公約は結果としても守られなければならない。TPP交渉の直接的俎上に載らなくても、TPPに乗じて二国間交渉で譲歩を迫られる可能性や、間接的に国益が損なわれる可能性にも備えなければならない」、「ところが残念なことに新政権誕生後もこれら6項目の具体的な考え方や、これまでの事前協議の内容が全く開示されていないし、国民的議論も行われていない」として「この段階で首脳会談におけるTPP交渉参加の判断は、われわれは絶対に認めることはできない」とした。
 同会の会員国会議員は2月19日現在で236人(衆院180、参院56)。森山裕会長は同日中にも安倍首相に決議を提出する考えを示した。

 

【TPPに関して守り抜くべき国益】

政権公約に記された6項目関連

(1)農林水産品における関税
 米、麦、牛肉、乳製品、砂糖等の農林水産物の重要品目が、除外又は再協議の対象となること。

(2)自動車等の安全基準、環境基準、数値目標等
 自動車における排ガス規制、安全基準認証、税制、軽自動車優遇等の我が国固有の安全基準、環境基準等を損なわないこと及び自由貿易の理念に反する工業製品の数値目標は受け入れないこと。

(3)国民皆保険、公的薬価制度
 公的な医療給付範囲を維持すること。医療機関経営への営利企業参入、混合診療の全面解禁を許さないこと。公的薬価算定の仕組みを改悪しないこと。

(4)食の安全安心の基準
 残留農薬・食品添加物の基準、遺伝子組換え食品の表示義務、輸入原材料の原産地表示、BSE基準等において、食の安全安心が損なわれないこと。

(5)ISD条項
 国の主権を損なうようなISD条項は合意しないこと。

(6)政府調達・金融サービス等
 政府調達及び、かんぼ、郵貯、共済等の金融サービス等のあり方については我が国の特性を踏まえること。

 ―党内儀論において下記事項についても強い指摘があった―

医薬品の特許権、著作権等
 薬事政策の阻害につながる医薬品の特許権の保護強化や国際収支の悪化につながる著作権の保護強化等については合意しないこと。

事務所開設規制、資格相互承認等
 弁護士の事務所開設規制、医師・看護師・介護福祉士・エンジニア・建築家・公認会計士・税理士等の資格制度について我が国の特性を踏まえること。

漁業補助金等
 漁業補助金等における国の政策決定権を維持すること。

メディア
 放送事業における外資規制、新聞・雑誌・書籍の再販制度や宅配については我が国の特性を踏まえること。

公営企業等と民間企業との競争条件
 公営企業等と民間企業との競争条件については、JT・NTT・NHK・JRをはじめ、我が国の特性を踏まえること。



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