【TPP】TPP交渉参加反対で緊急声明 生活クラブ連合会・生活クラブ共済連2013年3月7日
生活クラブ連合会と関連団体である生活クラブ共済連は3月7日、安倍首相が近くTPP交渉参加表明をするとの動向に対し、改めてTPP交渉参加に反対する緊急声明を発表した。
両者の声明は以下の通り。
安倍首相は2月22日にオバマ米大統領と首脳会談を行ない、TPP交渉参加について「日米共同声明」を発表しました。首相は会談後の記者会見で「『聖域なき関税撤廃』が前提ではないという認識に立った」とし、「なるべく早い段階で決断したい」と述べました。3月上旬にも交渉参加を表明する見込みと報道されています。
私たちはこれまでも、TPP交渉参加に反対する見解とその理由を表明してきましたが、この間の政治状況をふまえ、TPP交渉参加にあらためて反対する緊急声明をここに発表します。
日米共同声明の冒頭には、「全ての物品が交渉の対象とされる」と明記されており、TPPが「聖域なき関税撤廃」を「前提」とした交渉であることは明らかです。交渉の“入口”におけるこの「前提」の問題を煙にまくために、日米共同声明は、「最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」と続けることで、交渉の“出口”における結論の行方に話をすり替えています。
自民党は、2012年12月の衆議院選挙において、「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。」との政権公約を掲げて政権に復帰しました。「聖域なき関税撤廃」を「前提」とした交渉への参加を表明するにあたり、「『聖域なき関税撤廃』が前提ではないという認識に立った」と詭弁を弄して国民を裏切ることは、許されることではありません。政権公約には、「外交を取り戻す」と威勢の良いキャッチフレーズがありますが、TPP交渉への参加は“外交を売り渡す”に等しい悲惨な結果をきっと招くことでしょう。
私たちは求めます。日本政府が何よりも優先して取り組むべきは、東日本大震災と福島第一原子力発電所の過酷事故からの地域復興を進めるための政策の実施です。そして、日本の食と農を守り育て、食料自給力を強めるための政策です。TPPは、これらの政策に逆行し、震災から立ち直ろうと努力する人々の希望を打ち砕く選択です。
私たちは、日本の食と暮らし、いのちを守るために、志を同じくする全国の諸団体とともに、TPP交渉参加に反対する運動に取り組みます。
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
会長 加藤好一
◆ ◆
生活クラブ共済連は、市民の生活を脅かすTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加に改めて反対を表明します。
安倍晋三首相は2月22日にアメリカのオバマ大統領と会談し、両首脳の共同声明で、TPPは全ての関税撤廃を前提とするものではないことが確認され参加を阻害する条件が除かれたとの報道がなされています。また、2月28日の施政方針演説では「政府の責任で判断する」としており、TPP交渉への参加表明を近く行なうとの報道もあります。
今回の日米首脳による共同声明では、自動車とともに保険分野の市場開放が懸案事項に挙げられており、日本のTPP交渉参加に向けた日米2国間協議で引き続き議論されることになっています。保険分野では政府が株式を保有する日本郵政グループの事業拡大が、外資系企業の不利益になると懸念し、簡保・郵貯の民営化を進めながら外資が占めるがん保険業界の利益を確保することが交渉参加の「入場料」として求められています。これを皮切りに、かねてからアメリカ政府やアメリカ企業の出先機関である在日米国商工会議所(ACCJ)が日本に対して要求してきた共済を保険と同じ競争環境に置くことにつながっていくことは明らかです。
市民の相互扶助のしくみである共済制度は、その組織を構成する人々が主体的で民主的に決めるべき問題です。3月11日の東日本大震災からまもなく2年目を迎えますが、被災地では多くの人々が自分たちの暮らしや地域社会の復興に向けてたすけあって暮らしており、市民の相互扶助のしくみである共済が再評価されています。私たちは共済の存続を危うくし、農林水産業や、医療、食の安全など、人々の生活と自治を阻害するTPP参加に強く反対します。
生活クラブ共済事業連合生活協同組合連合会
会長 福岡良行
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