学習・交流が大切 中央区日中友好協会がセミナー2013年7月9日
NPO法人中央区日中友好協会(佐藤喜作会長)は7月6日、東京都内で「これからの日本と中国を考えるセミナー」を開催した。中国の食料・農業問題や領土問題の歴史について識者が講演、120人ほどの参加者は民間レベルでの学習と交流が大切なことを学んだ。
食料輸入を増大させている中国の農業事情について農林中金総合研究所基礎研究部の阮蔚(ルァン・ウエイ)主席研究員が講演した。 6000万t近い大豆のほか、200万t超の米、300万t超の小麦の輸入など、2012年の中国の食料総輸入量は8000万tを超え、自給率は86%となっている。都市人口が年間1300万人増加していることにともなう食料需要の増加、食の高度化が要因だ。 ただ、一方で07年以降の世界的な食料価格の高騰で世界では農業投資が拡大し増産されていることも指摘。農家にとっては再生産可能な価格の実現が必要だったと阮主席研究員は強調した。
同時に中国が社会発展していくためには、農村戸籍のまま都市に流入する農民工が都市で定住するコストを、安い公団住宅の建設など引き下げることや、医療、年金、教育などの公共サービスの整備が必要なこと、都市戸籍との区別をなくすこと、なども課題になると話した。
そのほか、村田忠禧・横浜国大名誉教授は、日本政府が尖閣諸島を領有するにいたった経緯を明治政府の公文書などから解説。現在の外務省の発表とは異なり、当時は内外に公表しないまま領有が行われたことなどを指摘し「われわれは面子ではなく、事実の共有化という土台の整備に努力しよう」などと訴えた。
(写真)
中国の生産者の視点に立って、中国農業の現状と課題を報告した阮蔚研究員
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