人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
241029 グレインSP SP
FMCセンターPC:ベネビア®OD
FMCプレバソンSP

株式会社の農業参入 企業は地域の信頼を2013年9月19日

一覧へ

「農地所有」の意見も

 農業参入法人連絡協議会は9月13日、東京・霞が関の農水省で農業参入セミナーを開いた。農地の荒廃を防ぎ、個人や企業の参入を促して農業を再建を促そうというもので、市町村の担当者や参入を検討している食品や流通企業などの関係者約200人が出席。直営の農業を持つコンビニの(株)ローソン、施設園芸団地事業を展開するカゴメ(株)、榊(さかき)を生産・販売する(株)彩の榊、それに建設業が米づくりを始めた(株)小田島の4社の報告をもとにパネルディスカッションした。全国農業会議所、農水省と共催。

◆全国10カ所直営農場

事例報告を行った5人の登壇者 農業参入で実績のあるコンビニのローソンは全国10カ所のローソンファームを持つ。
 農業参入の背景として、[1]農業従事者の減少・高齢化によって、近い将来に農産物不足が懸念される。そのため[2]主力産地にローソンファームを設立し、次世代を担う若い農業者を発掘し、持続的な安定供給を実現する。さらに[3]青果物生産に携わることで農業を理解し、生産者と協業のうえ、客のニーズに合致した青果物の成案を目指す、としている。
 ローソンアグリ推進本部の前田淳副本部長は「コンビニ業界は飽和状態に近づいている。、他社との差別化を強めるには、生鮮強化型店舗の拡大が必要。そのため生産品をそろえて客層の拡大を図る」という。このため、作期の異なる農場を全国につくり、リレー栽培によって青果物を周年で調達しようというわけだ。
 ローソンと組んでローソンファームを経営する農業者は、県農業会議などの紹介で有力農家や若い担い手を確保するが、それには厳しい基準がある。まず、[1]経営面積は2ha以上で[2]営農に従事している農業者(子息)が2人以上いること。さらに[3]設立資金(375万円)を準備できる[4]現在の経営が黒字である、ことなどだ。
 今後のファーム開発のポイントについて同部長は県庁(農業会議等)との情報共有の必要性を挙げる。特に「若い農業担い手、農地の確保、補助金等で県の支援が欠かせない」と指摘する。

(写真)
事例報告を行った5人の登壇者

◆野菜園芸団地に意欲

 カゴメは早くから野菜園芸団地事業に取り組んできた。
 加工用トマトの施設栽培から始め、今は生食用トマトのほかイチゴ、パプリカ、キュウリなどに拡大。東日本大震災で津波の被害を被った仙台市の亘理地区では大規模なイチゴ団地の建設も進めている。
 太陽光発電、トリジェネ(余分な熱の再利用)、LED、排熱利用など、園芸施設への新エネルギー分野にも取り組む。
 これまでの農業参入の経験を踏まえ、同社の佐野泰三常勤顧問は「農業の構造改革を加速する提言(案)」を紹介。その中で農地の所有を認めることを強調する。「露地農業と比べ、施設園芸は多額な設備投資を伴うため長期視点の経営判断が必要。現行のリース方式で実績のある企業には農地所有を認めるべきだ」という。
 さらに農業生産法人の規制緩和を挙げる。「出資制限があるため過小資本となる。議決権なしの出資では不足」と指摘する。

◆榊栽培で新規参入

 「彩の榊」は花屋から農業参入した東京都青梅市の企業である。国内で使われている榊のほとんどが中国産であることに目をつけ、生産・販売を始めた。
 数週間しか日持ちしない中国産に比べ、管理の仕方によっては何カ半年も持つ国産は引っ張りだこで、山どりがすぐ限界に達した。畑での栽培を計画して都の農業会議に相談したが、経験と知識を問われ、最初は相手にされなかったが、何度か通い、候補地を紹介してもらった。
 地主の協力を得るため、訪問の時は花を持参して回った。「知らない土地で大変だった。しかし、今は、地元の人の理解と協力があってアドバイスがあってここまでくることができた」という。
 収穫・加工・出荷の作業があり、手間がかかる。現在11人のパートがいるが、そのうち8人が地元の高齢者。「榊を通じて、日本の伝統文化を見直し、世代を超えて、若者も年配者も一緒に働ける仕事づくりの場を広げたい」と抱負を述べた。

◆建築業から米作へ

企業の新規参入のありかたで意見交換した農業参入セミナー 「地元の山間地の農地が荒れている。なんとかしたいと考え、米づくりを始めた」と、新潟県糸魚川市の小田島建設の小田島修平社長。同社のある地区は約160haの水田を215戸が経営している。うち60haが中山間地。農地が荒廃してからでは遅いと考え、農家の従業員や地域の将来を心配している農業者と農業生産法人を設立した。
 直接のきっかけは平成8年前の水害のとき、復旧工事のブロックヤードとして5年近く使っていたため、地主が耕作の意欲を失っていたことにある。その地主の水田とあわせ、3.5haでスタート。その後市の農業特区になったが、農業法人を設立していたのでスムーズに参入した。
 11.6haで米、ナス(越の丸なす)、ソバ、ブルーベリーなどを栽培する。「もともと地域に根ざし、信用されるよう会社を経営してきた、農業に真摯に取り組むことで、地域の方々により信頼されるようになった」と小田島社長は、農業参入は地域の信頼をえることの重要性を強調する。

(写真)
企業の新規参入のありかたで意見交換した農業参入セミナー


(関連記事)

農地中間管理機構の整備で税制改正要望(2013.08.30)

農地集積バンクに1000億円超 26年度予算(2013.08.30)

十分な事前準備が成功のポイント 日本政策金融公庫の他産業からの農業参入調査(2013.02.15)

【農業参入した住友化学】耕作放棄地の有効活用と地元雇用の創出(2010.09.28)

「量販店が農業参入」耕作放棄地をイオンが直営農場に(2010.02.01)

重要な記事

20241118 トウキョウX SPSP

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る