聖域確保は国民との約束 自民議連が決議2013年10月4日
自民党議員連盟の「TPP交渉における国益を守り抜く会」は10月3日に総会を開き、インドネシアで行われているTPP交渉について、農林水産分野の重要5品目や国民皆保険制度など聖域の確保を最優先することを政府に求める決議を採択した。
決議は、TPP交渉では秘密保持契約のために交渉内容の情報開示がされず、国民的議論も乏しいことから「国民の不安や懸念がますます増幅している」と強調した。
そのうえで自民党と衆参農林水産委員会は「農林水産分野の重要5品目等や国民皆保険制度などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとすること」との内容の決議を採択していることから、「この決議はTPP交渉参加にあたっての国民との約束」、「政府はインドネシア・バリ島での会合においては、与党自民党の決議、国会の決議の実現に責任を果たさなければならない」とした。
森山裕会長(衆議院議員)は「国益を守り抜くことを改めて表明した」と述べた。
会合では内閣官房や外務省から、9月18日から21日までワシントンで開かれた首席交渉官中間会合や、30日から10月1日まで東京で開かれた米国との2国間交渉について報告した。
しかし、具体的な報告はなく「政治レベルに上げて議論するための基盤を固めた」などの説明にとどまった。出席した議員からは「あまりに抽象的だ」などの批判が出たが、これに対して政府は首席交渉官中間会合はインドネシア・バリ会合に向けた準備に過ぎないとしてこれ以上の説明は難しいとした。
また、米国との2国間協議は「TPP交渉と違って秘密保持義務がないのではないか。もっと説明できるはず」との指摘も出たが、外務省は2国間の申し合わせによってTPPと同程度の秘密保持をすることなっている趣旨の説明をした。
こうした政府の姿勢に対して、自民党も国会も「聖域確保」を決議していることをふまえ「政府に交渉を白紙委任しているわけではない」との意見などが出た。
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