天皇杯受賞者決定 横田農場(茨城)など7件2013年10月22日
農水省は10月17日、平成25年度(第52回)農林水産祭天皇杯などの受賞者を決めた。過去1年間の291件の農林水産祭参加表彰行事で受賞した全492点の中から、7部門21件が選ばれた。
農産部門で天皇杯を受賞したのは、茨城県龍ヶ崎市の(有)横田農場。
平成8年に法人を設立した当初は家族・親戚で16haを経営していたが、農地の集積と大区画化をすすめ、24年現在は経営面積88ha、社員数14人を抱え、年間の売上高は1億円を超える。88haを、田植機、コンバイン各1台で作業するなど効率的な管理で大幅なコスト削減を実現している点や、生産する米の9割を消費者や量販店に直販する取り組みなどが評価された。
園芸部門は、福島県いわき市でトマトを中心に農産物の加工品販売などを手がける(有)とまとランドいわきが受賞。独自の生産管理システムを構築しているほか、東日本大震災からの復興を短期間で成し遂げたことなどが評価された。
畜産部門は、熊本県山鹿市で酪農を営む谷秀則・珠美夫妻。長男を含めた3人の家族経営で100頭以上を飼養していることや、トウモロコシ、イタリアンライグラス、飼料イネなどの飼料作物を地域の耕種農家と連携して生産していることなどが評価された。
そのほか、蚕糸・地域特産部門は静岡県浜松市で茶を生産する太田昌孝氏、林産部門は埼玉県飯能市で林業での女性の地位向上に取り組む栗原慶子氏、水産部門は三重県鳥羽市でアサリの養殖に取り組む鳥羽磯部漁業協同組合浦村支所浦村アサリ研究会、むらづくり部門は水の大切さを伝えながら村づくりを行っている宮崎県えびの市の田代自治会が選ばれた。
表彰式は、11月23日11時40分から明治神宮会館での農林水産祭式典内で行われる。
◇
全受賞者は次の通り(▽部門名「受賞した取り組みなど概要」受賞者(代表者)・所在地、経営作物など。敬称略)。
【天皇杯】
▽農産部門「大幅な生産コスト削減を実現した先進的大規模稲作経営」(有)横田農場(代表:横田修一)・城県龍ヶ崎市、水稲
▽園芸部門「全国屈指の高収量トマトと地域活性化を第一に考えた農業経営を実現」(有)とまとランドいわき(代表:鯨岡千春)・島県いわき市、トマトなど
▽畜産部門「自給飼料で高泌乳牛を飼養し地域内循環も構築した基本に忠実な骨太経営」谷秀則、谷珠美・熊本県山鹿市、酪農
▽蚕糸・地域特産部門「高度な栽培技術による「天竜茶」ブランドの確立と新商品開発の取組」太田昌孝・静岡県浜松市、茶
▽林業部門「林業における女性の地位向上と男女共同参画の推進を牽引」栗原慶子・埼玉県飯能市
▽水産部門「新たなアサリ養殖技術の確立に大きく貢献」鳥羽磯部漁業協同組合浦村支所浦村アサリ研究会(代表:浅尾大輔)・三重県鳥羽市、アサリ養殖など
▽むらづくり部門「世代を超えて「水」に対する感謝の念を共有し郷土を守るむらづくり」田代自治会(代表:前原良一)・宮崎県えびの市
【内閣総理大臣賞】
▽農産部門「地域密着・地域活性型の大規模複合経営を実現」(有)斉藤農園(代表:斉藤彰久)・長野県安曇野市、水稲、小麦、そばなど
▽園芸部門「夢を託した 「河内晩柑」の木成り栽培で 地域を元気に」(株)吉田農園(代表:吉田浩)・媛県南宇和郡愛南町、カンキツ類
▽畜産部門「地元産わら利用を基本とし近隣の住宅団地とも共存する肉用牛一貫経営」加藤勝也、加藤美子・三重県四日市市、肉用牛
▽蚕糸・地域特産部門「飼料稲・飼料米を活用した大規模かつ高品質な葉たばこ栽培の実現」太江田浩次・太江田文子・熊本県八代市、葉たばこ
▽林業部門「しいたけ栽培技術の高度化と多様な販売ルートの開拓」加藤至誠・加藤美恵子・大分県竹田市、乾シイタケ
▽水産部門「地場ブランド魚を活用し本物
の家庭の味を簡便に実現」(株)味の加久の屋(代表:野田一夫)・青森県八戸市、水産加工品
▽むらづくり部門「地域外の人々との活発な交流を通じて元気な地域を目指すむらづくり」波瀬むらづくり協議会(代表:福井弘)・三重県松阪市
【日本農林漁業振興会会長賞】
▽農産部門「栽培技術の研鑽、ニーズに応じた生産・販売で地域農業の発展に貢献」(有)おっとちグリーンステーション(代表:柳渕淳一)・宮城県登米市、大豆
▽園芸部門「中山間地のパワーを結集!市場の要望に応えられる花き産地に発展」JAみなみ信州花き部会(代表:清水芳実)・長野県飯田市、ダリア、ホオズキなど
▽畜産部門「雲仙普賢岳噴火災害から再起。地域に根ざした家族で営む養鶏経営 」横田清廣、横田サチ子・長崎県南島原市、肉用鶏
▽蚕糸・地域特産部門「高度な技術に基づく優良繭生産と干し柿生産による周年労働体系の確立」芦澤定弘・山梨県南巨摩郡富士川町、養蚕
▽林業部門「消費者ニーズに応じた付加価値の高い住宅部材の開発と供給」(株)沓澤製材所(代表:沓澤一英)・秋田県大館市、木材
▽水産部門「水産練り製品として斬新な製品開発コンセプトと高度な加工技術」ヤマサ蒲鉾(株) (代表:名田和由)・兵庫県姫路市、水産加工品
▽むらづくり部門「自立・継続する農業を実現し地域に貢献するむらづくり」農事組合法人ファーム大島(代表:源春夫)・富山県射水市
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