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農政課題で要請活動 セミナーの決議実現を2014年1月6日

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新世紀JA研究会の要請活動

 JAの常勤役員や幹部職員の相互研鑽と情報交換を目的とする新世紀JA研究会(代表:藤尾東泉・岩手県JAいわて中央代表理事組合長)は12月26日、JA全国連や農林中金、農水省、政府与党等への要請活動を行った。11月福岡県JA八女で開いた同研究会のセミナーで採択したアピールの実現を求めると同時に、2014年に向けJAが取り組むべき課題を確認した。

 要請活動には、藤尾代表を始め、副代表の古谷茂男・神奈川県JAはだの代表理事組合長、名誉代表の萬代宣雄・JA全農経営管理委員会副会長・JA島根中央会会長、特別相談役の鈴木昭雄・福島県JA東西しらかわ代表理事組合長ら9人が参加。TPP(環太平洋連携協定)への参加反対運動への取り組みや水田農業政策、東日本大震災への対策などで、全中、全農、共済連、農林中金、自民党、公明党、農水省等へ要請した。

◆1月にTPP対応方針

アピール文を渡すJA新世紀研究会の藤尾代表(左)とJA全中の大西茂志常務理事 JA全中では大西茂志常務がTPP交渉への対応について「オバマ大統領の権限をめぐる問題から、2月が一つの焦点になる。1月の理事会で3月までの方針を出し、運動に取り組む」と述べた。また水田農業政策では飼料米の種子不足や、売り先確保の出口対策などの要望に対して、「26年度の予算もついたので、柔軟に対応したい」と答えた。
 このほか、円安による飼料価格の高騰、東京電力福島原発事故による風評被害、再生可能エネルギー利用、食品に対する消費税の軽減措置などへの対応を要請した。要請に伴う意見交換の中で、飼料米について、「飼料米をトウモロコシの代替と考えるのではなく、栄養効率の高い米を独自の飼料として位置付け、利用方法の技術開発に力をいれるべきだ」という発言もあった。

(写真)
アピール文を渡すJA新世紀研究会の藤尾代表(左)とJA全中の大西茂志常務理事

◆水田対策でチーム作る

藤尾代表(左)とJA全農の吉永正信代表理事専務 JA全農では吉永正信専務が水田農業政策について「飼料米対策で交付金の額が先行しているが、現実に生産者の期待に応えられるか、全農としてはきちんと説明していかなければならない」と述べた。
 また飼料米では種子の確保、飼料工場までの運搬、食用との区分管理などの問題があり、「全中と連携し、チームを作って、年度別に検討していく。過度の期待で現場が混乱しないよう事業方針を明記し、2月に体制を組みたい」と答えた。
 また3か年計画で、元気な産地づくりに取り組んでいることを説明。「県ごとに地域の状況に応じて生産し生産振興を図る。担い手育成では、実験農場のようなものをつくっている県本部もある。直接経営はで認められていないが、こうした方法も検討したい」と述べた。さらにキューピーとの提携に関連し、「園芸サイドで契約産地づくりを考えている。関東地区で少しずつ動いている。大手スーパーに席巻される気はない」と、全農の意気を示した。

(写真)
藤尾代表(左)とJA全農の吉永正信代表理事専務


◆基金で再生エネルギー

藤尾代表(左)とJA共済連の横井義則代表理事理事長 JA共済連は横井義則理事長が対応。再生可能エネルギーの利用について、バイオマスなどの利用で農林中金とファンドをつくって対応していることなどを説明。また共済の新しい商品の開発について「農業とリンクした保証制度ができないか検討している」とことなどを明らかにした。
 このほか、「なぜ共済が必要か、3Q(訪問活動)を展開するとき、その趣旨を職員に徹底させて欲しい」、「共済がLA(ライフアドバーザー)に特化すると、正組合員農家を訪問しても農業経営についての話ができない。信用・共済だけでなく農業や営農についての教育も必要だ」などの注文があった。

(写真)
藤尾代表(左)とJA共済連の横井義則代表理事理事長


◆貯金保険機構の凍結を

藤尾代表(左)とJA共済連の宮園雅敬代表理事副理事長 農林中金では宮園雅敬副理事長が対応し、再生可能エネルギーで「中山間地の逆境をエネルギーに変えるのに最適」として、ファンドなどで力をいれていることを説明。また東日本大震災に関しては復興ファンドで支援していることを強調。「利用の進捗が悪かったが、ここにきて対象が増えてきた。これからが大事だという気持ちを強くしてやっていきたい」と述べた。
 また、JAの経営の健全化が進み、経営破たんに陥る可能性が低くなり、JAの負担も大きいことから、農水産業協同組合貯金保険機構の凍結を求める意見があった。

(写真)
藤尾代表(左)とJA共済連の宮園雅敬代表理事副理事長


◆飼料米輸送距離縮める

意見を述べるJA新世紀JA研究会の役員(農水省で) 農水省では経営局協同組合課の山北幸泰課長が農政全般について「予算や税制、水田農業政策のエサ米など全農等とも話し、JAの意見も関係部署につないでいる」と説明。貯金保険機構の凍結に関しては、「どこまで積立てすべきか水準が分からない。今の率を維持すべきかどうか。機構で研究している」と述べた。飼料米の輸送では「
トータルとして短くすべきだと考えている」との考えを示した。

(写真)
意見を述べるJA新世紀JA研究会の役員(農水省で)

◆役職員教育に講師団を

 このほか、各組織・機関に共通して、JAの役職員教育の必要性を強調し、教育・研修のための体制づくりを要望した。特に専門教育だけでなく、協同組合論や一般教養も含め教育が必要で、そのための全国的な講師団を組織し、JAにあっせんする仕組みづくりを求めた。
 ほかに政府与党の自民党、公明党議員にもアピー文を渡した。


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