「日々、島嫁」 牛とともに生きた10年2014年1月23日
フレッシュミズの主張全国コンクール平成25年度の最優秀賞・新城美保さん(JAおきなわ八重山支店女性部)
平成25年度「フレッシュミズの主張全国コンクール」が昨年11月開かれ、JAおきなわ八重山支店女性部の新城美保さんが最優秀賞に輝き、1月20日の第59回JA全国女性大会で表彰式が行われた。
新城さんは大阪から、八重山諸島の黒島の繁殖牛農家の跡取りと結婚し、牛とともにたくましく生きる"島嫁"10年の体験を述べた。
◆一人旅で運命の出会い
八重山諸島のハートの形をした、口220名、牛3000頭の黒島と出会って10年の島嫁としての日々のお話をさせて頂きます。生まれも育ちも大阪の浪速っ子の私は、今から10年前、初めて八重山諸島へ一人旅に来ました。
一番興味のなかった黒島はたったの1泊。このたったの1泊で夫と出会い「ド?ン」と胸に響く一目ぼれ。その日にデート、その日にプロポーズ。まさにハートの島での運命の出会いでした。
それから2年間、JA女性部の方が経営する民宿で住み込みで働かせてもらい、黒島のさまざまな行事にも参加しながら順調に交際し、2007年1月1日元日に入籍させていただきました。
夫は亡き父親の後を継ぎ、繁殖牛の畜産農家を経営しております。農業に憧れ楽しみにしていた牧場は赤字経営で経済的にも苦しく、周りの人たちにもとても心配されましたが、大阪の両親から「あんたには使命がある。島になくてはならない存在になりなさい」との言葉に励まされ、「よっしゃ。やったるでー」と泣いたり、笑ったりの島嫁としての日々が始まりました。
◆女性部の先輩方が味方に
忘れもしない、2008年5月、牛セリ価格暴落。JAの支払いもどうしょうと悩む日々。「新婚さんいらっしゃ?い」に出演してもらえないかと電話があり、軽い気持ちで受けたらオーディションに見事合格。初めて石垣島ロケに出演し、何と30万円の賞金をいただきました。
次の日にはJAへ返済、笑顔で支払いすることが出来ました。
いろいろな壁にぶちあたる度にJA女性部の先輩方のおかげで乗り越えてきています。JA女性部黒島支部のみなさまはキラキラ、元気はつらつとしていて、何かある度に、気にかけて「お茶しょう」と誘っていただきました。何かあっても、こんなにもたくましく、かっこいい先輩方が見方になってくれるというのは本当に心強く有難いです。
仕事も牧場経営を手伝うだけでは生活が厳しく、JA女性部の先輩方の紹介もあって、訪問介護ヘルパー、ディサービスのスタッフ、水道検針、集金、郵便局、ボランティア活動など、今では「島のなんでも屋さん」といわれております。そんな流れで、気がつけば自然にJA女性部へ加入。前年度からJA八重山支店女性部フレッシュミズ部会の副部長をさせていただいています。女性部の活動は為になり、楽しいことばかりです。
昨年12月にはフレッシュミズ部会の部長と沖縄本島へ行き、南風原支店のイベントに参加させていただきました。すてきなクリスマスコンサート、気持ちよさそうなベビーマッサージ、楽しいバルーンアート、おいしいお菓子、来場者もたくさんで、すばらしいイベントでした。その後、沖縄本島各地域のフレッシュミズの皆さんとの交流もあり、意見交換もできました。なかなか黒島から出る機会もなかった私にとっては、ドキドキ、わくわく興奮の研修会でした
◆婚活を初開催
石垣島での女性部活動もさまざまありますが、『家の光』記事活用のライフプラン&エンディングノートの説明会では、今後の自分の人生と真剣に向き合うきっかけとなりました。
また塩麹、しょうゆ麹を使った料理を各部員で持ち寄り、私は「鶏肉のスパイシーしょうゆ麹焼」を出品し、昼食会では23品の料理をバイキング式でいただきました。女性部の料理のすばらしさに驚き、今後の活動が楽しみになりました。
JAおきなわ八重山支店女性部10周年記念ミニミニスポーツ交流会では、千変万化リレー、ソフトバレーボールなど女性部のみなさんとフレッシュミズのメンバーとチームを作り和気あいあいと楽しく交流できました。
今年は、JA八重山支店の婚活事業があり、フレッシュミズ部会の部長と私が女性部代表で実行委員をさせていただきました。第1回目は、「ハートの島、黒島で」ということで、年1回の最大の祭りである牛まつりに「ハートの島で愛しましょう」とのキャッチコピーで婚活することができました。牛まつりでは、ロール転がし、ジャンプDE・LOVEロールなど、ゲームに参加していただきました。うわさでは、1組のカップルが誕生したそうです。
(写真)
1月20日の表彰式のようす
◆あっという間の10年
石垣島へ渡り、JA八重山支店女性部との交流も楽しく刺激になります。ただ石垣島に渡るには交通費や時間の問題もあり、黒島で何かできないかなと考え、女性部の先輩に相談したところ「やりたいことやりなさい。全力応援するさ」と背中を押され、「島嫁市」というイベントを企画しました。
フリーマーケット、ふるまい喫茶、ツリーハウス、ネイルサロン、クリスマスリース作りなど、わが家を開放して開催したところ、島中の女性が集まりました。赤ちゃんから、おばあちゃんまでみんな笑顔のすばらしい一日になりました。
今年の4月21日には第4回目の「島嫁市」を開催することができました。石垣島からネイリストさん、マッサージさん、美容師さんにも来ていただき大盛況でした。島嫁市の中心メンバーはフレッシュミズです。誰でも自由に参加でき、島外や観光客の方たちとの交流の場にもなっています。『家の光』『ちゃぐりん』も置いて、いつでも読めるように、みなさんにお勧めしています。
黒島フラガールも立ち上げました。映画のフラガールに影響され、婦人会の余興で踊ってみたら、さらにはまり、声かけしたところ13名集まりました。中心メンバーはフレッシュミズです。おそろいのパウスカートで曲を決めてDVDを観ながら練習。公民館で歓迎会、送別会、成人式などのとき発表しています。島嫁市やフラガールの活動を通して部員を増やしたいと考えております。
気がつけばあっという間に10年がたち、励ましてくれたJA女性部の先輩方の年代になります。新しくかわいい妹分の島嫁さんたちも増えました。これからは、フレッシュミズ活動として月に1回は集まり、部員との意見交換会、年に3回の黒島での島嫁市開催、年に3回のフラガール発表、年に2回の石垣島フレッシュミズとの交流をしていきたいです。
また、牧場経営も大変厳しく、改善したいところが山ほどあります。JAに相談し、明るく元気に儲かる農家を目指します。島嫁みんなが「黒島に嫁に来てよかった」と思える日々を。「さすが?ハートの島だね?」と言われるように夫婦仲良く円満に、島嫁としての日々を歩いて行きたいです。
(関連記事)
・【特別寄稿】組合員や地域住民の夢を実現する「あんしん」 池田陽子・JAあづみくらしの助けあいネットワーク"あんしん"理事長 (14.01.23)
・【第59回JA全国女性大会にエールを送る】個の内発的な活動を通して協同の輪を 今村奈良臣・東京大学名誉教授 (14.01.23)
・共同参画一層の前進 JA全国女性大会 (14.01.22)
・【メッセージ】第59回JA全国女性大会へ向けて 萬歳章・JA全中会長 (14.01.22)
・【特別対談】JA役職員と女性組織は、車の両輪で地域づくりを 大川原けい子・JA全国女性協会長、伊藤澄一・JA全中常務理事 (14.01.22)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ホウレンソウにクロテンコナカイガラムシ 県内で初めて確認 神奈川県2024年12月23日
-
【注意報】カンキツ類にミカンナガタマムシ 県内全域で多発 神奈川県2024年12月23日
-
24年産新米、手堅い売れ行き 中食・外食も好調 スーパーは売り場づくりに苦労も2024年12月23日
-
「両正条植え」、「アイガモロボ」 2024農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2024年12月23日
-
多収米でコメの安定生産・供給体制を 業務用米セミナー&交流会 農水省補助事業でグレイン・エス・ピー ①2024年12月23日
-
多収米でコメの安定生産・供給体制を 業務用米セミナー&交流会 農水省補助事業でグレイン・エス・ピー ②2024年12月23日
-
香港向け家きん由来製品 島根県、新潟県、香川県からの輸出再開 農水省2024年12月23日
-
農泊 食文化海外発信地域「SAVOR JAPAN」長野、山梨の2地域を認定 農水省2024年12月23日
-
鳥インフル 米アイダホ州、ネブラスカ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月23日
-
農林中金 当座預金口座規定を改正2024年12月23日
-
農林中金 変動金利定期預金と譲渡性預金の取り扱い終了2024年12月23日
-
「JA全農チビリンピック2024」小学生カーリング日本一は「札幌CA」2024年12月23日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」栃木県で三ツ星いちご「スカイベリー」を収穫 JAタウン2024年12月23日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」大分県で「地獄めぐり」満喫 JAタウン2024年12月23日
-
「全農親子料理教室」横浜で開催 国産農畜産物で冬の料理作り JA全農2024年12月23日
-
「愛知のうずら」食べて応援「あいちゴコロ」で販売中 JAタウン2024年12月23日
-
Dow Jones Sustainability Asia Pacific Indexの構成銘柄7年連続で選定 日産化学2024年12月23日
-
「東北地域タマネギ栽培セミナー2025」1月に開催 農研機構2024年12月23日
-
NTTグループの開発した農業用国産ドローンの取り扱い開始 井関農機2024年12月23日
-
北海道立北の森づくり専門学院 令和7年度の生徒を募集2024年12月23日