農商工連携、農業者の6割が売上げ増2014年1月23日
農業者自ら加工・販売・商品開発も
農商工連携に取り組む農業者、商工業者ともに売上げを伸ばしているが、農業者よりも商工業者が、より売上げを伸ばしていることが、日本政策金融公庫の6次産業化に関する調査で明らかになった。また、農業者は原材料の生産だけでなく、自らも加工・販売・商品開発に取り組む方が売上げ増につながっている。
◆将来見据えノウハウを
調査は平成24年9月、農商工連携によって農業の6次産業化に取り組む、公庫の融資先農業者163、商工業者72が対象(合計回収率47%)。
連携する目的は、農業者が「加工による新商品の開発・販売」が72.2%で最も多く、次いで「新規の販売ルートの開拓」の58.3%だった。また「提携歳の加工・販売ノウハウの取得」が15.3%あり、連携を通じてノウハウを取得し、将来的には農業者自身が加工・販売に乗り出そうとする姿も伺える。一方、商工業者は「原材料にこだわった新商品の開発・販売」が79.5%で最も多かった。
連携先を選んだ理由について、農業者は、商工業者の「農業や生産する農畜産物への理解」を挙げる回答が52.8%と最も多く、「流通・販売に関する営業力」、「加工に関する技術」が続く。一方、加工業者は、農業者の「必要な品質の農畜産物を生産できる技術力」の回答が61.5%で最も多いほか、「連携先の評判・信用力」などもあり、農業者の技術力のほかに地域での評判も選定のポイントとして重視していることが分かる。
◆農業者の役割は生産だけでない
連携による売上げの変化については、「売り上げが増加した」の回答が、農業者で59.7%、商工業者が76.3%となり、「売り上げ増加に結びついていない」が、それぞれ40.3%、21.1%となった。総じて売上げ増は、農業者よりも商工業者の方が顕著に現れている。
農業者が連携において狙っている役割は、「農畜産物の生産」が86.1%で突出して多く、ほかに「農畜産物や加工品の販売」、「新商品の開発」、「農畜産物の加工」などがあり、農業者の役割が、単に原材料の生産だけでないことが分かる。
「売上げが増加した」農業者で販売を担っているという回答が55%あり、「売り上げ増加に結びついていない」農業者の22.2%を大きく上回った。この傾向は「新商品の開発」、さらに「農畜産物の加工」や「観光農園、農家レストラン、民宿等」でも見られた。
このことは加工・販売・商品開発等を商工業者任せにせず、農業者自らもかかわることが、農業者の売上げ増に効果があることを浮き彫りにしている。
なお、連携して開発した商品の輸出に関しては、農業者の8.3%がすでに実行し、38.3%が「今後輸出したい」としており、半数近くが輸出に意欲的であることを示している。
(関連記事)
・農業経営生き残るため 食のニーズに対応を(2014.01.22)
・失敗しない6次産業化へ JA人づくり研究会(2013.12.06)
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・6次産業化・地産地消計画 新たに194件認定(2013.11.06)
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