農業委員会に中立性求める 規制改革会議2014年2月4日
規制改革会議の農業ワーキンググループ(座長:金丸恭文フューチャーアーキテクト会長兼社長)は2月3日、第8回会合を開いた。テーマは「農地の活用・保全における農業委員会の在り方について」。農水省からヒアリングをした後、質疑と意見交換を行った。
◆農委の選出方法に異議
農業委員会は農業委員会法に基づく組織で教育委員会と同様、市町村の独立行政委員会。委員は選挙で選ばれる委員とJAや農業共済組合などの推薦した理事や市町村議会推薦の学識者で構成されている。
農地の権利移動の許可、都道府県知事の農地転用許可に関する意見具申、農地のあっせんなどが農委の業務だが、平成21年の農地法改正以降は農地利用状況調査(年1回)、遊休農地の所有者に対する指導・勧告などを行うようになったほか「人・農地プラン」の作成にも積極的に関与する役割も加わった。
ただ、選挙による委員選出といっても全国ベースの集計では投票実施は1割。委員からは「選挙の必要性はあるのか」との質問が出て農水省は「いろいろな角度から検討する必要がある」との認識を示した。
また、「農業委員にはJA関係者が多いのでは」、「農業者の代表として選ばれているから転用が多いのでは。もっと中立的な委員を増やすべきでは」といった指摘や、市町村・県・全国の3層の系統組織になっていることも検討が必要との意見もあった。
◆機構との関係は?
これらの意見のなかには事実誤認も(農業委員3万5729人のうちJA理事は1919人)あるが、3層組織になっていることについて農水省は「検討すべきテーマの一つになる」と話した。
農地中間管理機構との関係についても質問や意見が出た。
委員からは「中間管理機構と目的がだぶらないか」、「機構が発足したら農業委員会はフェードアウトしていくのか」との質問も。農水省は「農地中間管理機構が軌道に乗ったとき、既存の制度との整理が課題になる」としたが「今は答えを出せない」と回答した。ただ、農地中間管理機構は都道府県に1つだけ。「これだけでは(農地利用集積や農業振興が)うまくいかないのではないか」、「機構が軸にはなるが機構だけで十分かどうかは判断できない」などと強調した。
次回の会合時期とテーマは未定。ただ、産業競争力会議が1月に決めた「成長戦略進化のための今後の検討方針」では「農林水産業の成長産業化に向けた改革」を盛り込んでおり、そこでは農業委員会、JA、農業生産法人について規制改革会議と連携して、それぞれのあり方を検討するとしている。
(関連記事)
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