TPP 譲歩なら撤退すべき-官邸前で抗議2014年2月19日
甘利明TPP担当相が記者会見で586ある農産物の重要5品目について「1つ残らず微動だにしないということでは交渉にならない」と譲歩する可能性も示した2月18日夕、TPPに反対する団体が官邸前に集まって「譲歩するなら交渉撤退が決議ではなかったか」など抗議の声を上げた。
急遽参加したのは「STOP TPP!!官邸前アクション実行委員会」ほかTPP反対運動を続けている農業、消費者、市民団体などで200名。
山根香織・主婦連合会会長は「政府は大きな決断をしなければ、と勢いを強めているが、大きな間違いを判断しないか大変心配だ。後からとんでもない決着をしたと知らされるのは許されない」と訴えたうえで「TPPは国益よりもグローバル企業の利益が優先される協定。暮らしや命を支えている制度に競争原理を入れてはいけない。安易な妥結を許してはならない」と強調した。
TPPに反対する大学教員の会の醍醐聰東大名誉教授は「最近、政府は妥結に全力を尽くすと言っているが目的がずれている。全力を尽くすべきは国民益を守ることだ。譲歩しなければならないのなら、交渉から撤退するというのが国会決議ではなかったか」と指摘したほか、自民党の西川公也TPP対策委員長が「大きな決断をするときが来るかもしれない」などと述べたことについて「いつから政府の人間になったのか。政府に決議を守らせる監視が西川氏の役目ではないのか」と批判した。
TPPに反対する弁護士ネットワークの中野和子事務局長は「重要5品目が守れないことが分かっているのならなぜシンガポールに行くのか。決議を尊重するなら行くべきではない」と訴えるとともに、改めてTPPの秘密主義を批判、「国民主権とは私たちに十分な情報が与えられ判断できることだ」と話した。そのほか紙智子共産党参議院議員らも「1ミリも譲れないと発言していたのは誰か。明らかに決議、公約違反。厳しく国民の声で迫っていこう」などと述べた。
(写真)官邸前で抗議しているようす
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