「TPP参加許さない」 農業青年が反対訴え2014年2月21日
第60回JA全国青年大会
TPP参加断固反対――。2月13日の午後、東京・霞が関の官庁街に力強い農業青年のシュプレヒコールが響いた。全国農協青年組織協議会(JA全青協)は12、13日、東京都千代田区の日比谷公会堂で第60回全国青年大会を開き、全国から約1500人が参加。全員がデモ行進や要請活動などで、TPP参加反対の意思表示を行った。今月22日からシンガポールで始まる関係国の閣僚会合を控え、農業青年の危機感が高まっており、一層の反対運動への取り組みを確認した。
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霞が関官庁街でTPP参加反対を訴えるJA全青協の盟友ら
◆JAの将来担う決意を示す
第60回大会のスローガンは、メインが明日を創る」で、サブが「未来を担う子どもたちに 世界に誇れる『食』と『農』」。山下秀俊会長は開会のあいさつで、「食と農を通じて、全国の盟友が多くの出会いをつくり、我々が農業とJAの担い手であることを自覚し、新たな力になるように務めよう」と決意を述べた。
また、来賓の萬歳章・JA全中会長は「JAの組合員として、責任感を持ってJAの運営に参加し、現場から新しい風を吹きこんで欲しい」と、将来のJA運営の中核となるべき青年部員に対するJAグループとしての期待を述べた。
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(上から)山下全青協会長、萬歳全中会長
◆次期会長に2人立候補
なお大会では、26年度JA全青協の会長・副会長の候補者が受け付けられ、決意表明した。益子丈弘氏(現副会長・栃木県農協青年部連盟委員長)と黒田栄継氏(現理事・北海道農協青年部協議会会長)の2人が会長に、天笠淳家氏(現理・群馬県農協青年部組織協議会委員長)が副会長にそれぞれ立候補した。選挙は3月13日の臨時総会で行われる。
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次期会長に立候補した2人の盟友(左から)益子さん、黒田さん
◆西岡さん(JA宮崎中央)、JA粕屋青年部が優勝
恒例のJA青年の主張では、JA宮崎中央青年部の西岡征四郎さん、JA青年組織活動実績発表では福岡県JA粕屋青年部が、それぞれ最優秀賞を受賞し、表彰された。
西岡さんは、「私たちの次なるステージへ?変化が求められる今?」のテーマで発表。20歳で施設園芸を引き継ぎ、青年部の盟友に支えられながら、オランダの施設園芸に刺激を受けて、独自の農業経営分析システムを開発し、農業のイノベーションを目指す。「農業の将来に明るい期待を持たせる内容」(審査講評)として、高く評価された。
組織活動で最優秀賞のJA粕屋青年部は秋山隆哉さんが発表。テーマは「ヒーロー伝説?古賀ね色の継承者?」。古賀市で、保育園や幼稚園などで食育活動を繰り広げる自らを「ヒーロー」に見立て、このノリで、スイーツコーンを栽培し、「ヨメコーン改!!!」のネーイングでイベントなどでPR、販売する。「ダイナミックな取り組みで、将来性がある」(審査講評)として最優秀に選ばれた。
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(上から)JA宮崎中央の西岡征四郎さん、JA粕谷の秋山隆哉さん
◆大会で決議、抗議行動
大会では「国益泣きTPP参加に断固反対する決議を採択。「将来にわたって国民の『食」に責任を持つ生産者として、国益なきTPP参加は断固として許すわけにはいかない」として、盟友の結束を訴えた。
大会終了後のデモ行進では、JA全青協の役員を先頭に「TPP参加 断固反対」の横断幕を掲げ、日比谷公園から官庁街を回り、農業青年の意志のアピールした。このほか独自に要請活動したところもあり、それぞれ地元選出の国会議員などにTPP参加反対の意志を伝えた。
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「頑張ろう」で決意を新たにする参加者
(関連記事)
・【インタビュー】山下秀俊・JA全青協会長 農業の本当の魅力、伝えたい (14.02.12)
・【現場から考える農政改革】(1)「国産を食べる」食料政策の確立を (14.02.12)
・最優秀賞にJAそうま JA全青協看板コンクール (14.02.04)
・座り込みと抗議行動 JA全青協(2013.11.25)
・JA全青協が農水省と意見交換(2013.10.31)
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