安倍政権の農政改革をアピール 25年度農業白書2014年5月27日
政府は5月27日の閣議で平成25年度食料・農業・農村白書を決定した。昨年度の白書は東日本大震災から2年の復興の歩みを柱にしたが、今回は平成24年末に政権交代した安倍政権が「強い農業」をめざして進めようとしている農地中間管理機構の創設による農地集積など、4つの改革をアピールする内容となっている。
ボリュームは昨年より100ページ少ない約230ページだが、事例の紹介は昨年の63から75に増えた。 巻頭トピックスではユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」について、その意義や日本食文化の保護・継承の大切さなどを紹介するとともに、政府が昨年末に決定した「農林水産業・地域活力創造プラン」や農政改革具体策を取り上げた。
農林水産省の「攻めの農林水産業推進本部」だけでなく、首相官邸にも「農林水産業・地域の活力創造本部」が立ち上がったことや、産業競争力会議、規制改革会議の関与、さらに与党も含めて農政改革が検討されてきた経過にも触れた。
具体策として▽農地中間管理機構の創設による農地集積、▽農業の構造改革にそぐわない米の直接支払交付金の廃止など経営所得安定対策の見直し、▽自ら経営判断して飼料米などを生産振興する米政策の見直し、の3つを「農業を強くする産業政策」として解説した。同時に、日本型直接支払制度の創設を「多面的機能の維持・発揮を図る地域政策」と強調している。 昨年度までの白書では「農業」の動向と施策について記述した章のタイトルは「農業の持続的発展」だったが、今回は「強い農業の創造に向けた取り組み」に変わり、6次産業化や輸出についての記述も増えた。
(関連記事)
・「人・農地プラン」作成図る市町村の95%に(2014.05.19)
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