農地転用権限、市町村へ委譲を要請 三重県知事2014年5月28日
三重県の鈴木英敬知事は5月27日、林農相に農地転用の許可権限を県から市町村に委譲するよう要請した。
農地転用の許可権限は現在、▽4ha超は農林水産大臣、▽2ha超4ha以下は知事。ただし大臣協議が必要、▽2ha以下は知事許可、とされている。 三重県では2ha以下の農地転用権限を29市町のうちすでに19市町に委譲しているという。鈴木知事の要請は、大規模な農地転用についても国の関与をはずし市町村に委譲すべきというもの。林農相に対して「優良農地をしっかり確保しなければならないという思いは国とまったく同じ。やたら開発していこうということではないが、都市計画関係の決定権限の多くが市町村に委譲されているので、総合的な町づくりの観点から基礎自治体への委譲を検討していただきたい」と話した。
また、農家レストランが農振法で農業施設と認められてないことも、町づくりの観点から支障があるとして、国家戦略特区で認められた規制緩和を全国に広げる必要があると要請した。
一方、国の農地の総量確保の目標については、地域の事情を適切に反映すべきだとして「国の自給率目標から(割り振って)これで行け、というより、積み上げて国と協議し、そのかい離を解消していくような手法をとっていただきたい」と話した。
そのほか豚流行性下痢(PED)の拡大防止と経営支援策なども要請した。
農地転用問題の要請に対して林農相は「地方分権のなかで議論をしており、2(ha)と4(ha)をどうするか、(検討を)やってきている。日本全体として農地の総量を確保する役割をどうするかという点をふまえていきたい」と述べたほか、農家レストランの事例については「農家レストランや観光農園にするので駐車場が必要になる、というのは前向きな話」との認識を示し、都市農業振興法の検討もふまえながら議論していく問題との考えを示した。
(写真)
鈴木三重県知事(左)と林農相
(関連記事)
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・豚流行性下痢、対策を強化 農水省(2014.04.10)
・都市農協問題と地域協同組合論(2014.04.01)
・TPPを先取りする生産調整政策の廃止(2014.03.26)
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