【農協改革】ICAが規制改革会議を非難2014年6月3日
国際協同組合同盟(ICA)は6月1日、規制改革会議が5月22日に取りまとめた「農業改革に関する意見」のなかで示した農協改革案について「協同組合運動の基本的な原則を攻撃するもの」などと非難、世界10億人の協同組合組合員とともにこうした農協解体論に反対するとの声明を発表した。
ICAのウエブサイトで発表されている。日本の規制改革会議の意見を「非難する」としており、世界の協同組合運動にとっての強い危機感を表明した。
発表文では、日本の首相の諮問機関が5月22日に農協改革案を承認したと伝え、その内容を▽総合農協を解体し専門農協に転換させる、▽JA理事の過半を、非組合員の可能性もある認定農業者や民間企業経営者とすることで組合員自治を弱める、▽全中を農業振興のためのシンクタンクに転換し、その役割と力を縮小する、▽農地の所有構造を変えることでさらなる規制緩和に進める、と紹介した。
これらの改革案についてポーリン・グリーン会長は「組合員による所有と管理という、協同組合のもっとも基本的な原則を明確に攻撃している」と批判。さらに「中央会や連合会に支えられてきた単位総合農協からなる日本の農協組織の構造は、世界中で発展してきたかたちを反映している。それらは日本の協同組合の成功に不可欠で、60年にわたる日本経済におけるビジネスモデルの多様化に貢献してきた」と述べたほか、東日本大震災での農協組織の貢献を忘れてはならないと強調した。
そのうえで「この『意見』は、協同組合の価値や原則を完全に無視するもの。日本の農協運動が解体され、このような形で組合員の権利が損なわれることについて、世界の10億人の人々からなる世界の協同組合運動全体が日本の協同組合運動の仲間とともに反対する」と訴えている。
また、国際家族農業年にこうした「意見」が提起されたことについても「この『意見』は家族農業の価値を認めず企業による農業を促進しようとしている」と強調した。
(写真)
ICAポーリン・グリーン会長
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