【農協改革】自らの意思で改革実践 萬歳会長2014年6月6日
JA全中の萬歳章会長は6月5日の定例記者会見で規制改革会議がまとめた農協改革案に対して「単なる組織の分断を図るものとしか思えない。農業改革に逆行する」と批判するとともに「自主・自立は協同組合の大原則。自らの意思に基づいて改革を実践していく」と強調した。
◆「結論ありき」の意見
中央会の一般社団化や全農の株式会社化など一部報道について、萬歳会長は「そのつど政府にそうした事実はないことを確認してきた」と話すともに規制改革会議が中央会の廃止などの「意見」を取りまとめた後には、同会議からヒアリングを受けたJA関係者にも確認したところ、今回の「意見」に盛り込まれた事項についての発言はなかったという。
こうした状況をふまえて萬歳会長は「今回の取りまとめについては不可解であると言わざるを得ず、結論ありきだったのではないかと感じている。政府の一諮問機関とはいえ、今までの規制改革の議論とは比較にならない、装置そのものを壊す提言がなされたことにかつてない危機感を持つ」と強調した。
一方、2日に開いた全JA組合長・会長緊急会議では、東日本大震災や原発事故など非常事態での全中・県中の役割を評価する声や、県域で対応できないJAの経営破綻を、資本注入などで未然に防止するなどの中央会指導の強化、農業の国民理解を広げるための中央会による一体感を持った広報の強化などを求める前向きな意見があったことを紹介。
「改革は自らの意思で行うものであり、自主・自立は協同組合としての大原則。われわれは協同組合として組合員への最大奉仕という目的を貫徹し、県中・全中一体となって自らの意思に基づいて改革を実践していく」と強調した。
(写真)
会見に臨む萬歳会長
◆JAは農家がつくった組織
また、この日は中央会の役割と改革の方向性について改めて整理した資料を提示した。そのうえで中央改革の方向として、JAがこれまで以上に地域の創意工夫を発揮できる個別指導への転換を図ることや、引き続き法に基づく指導、監査を通じてJAの経営問題を検証して、JAの経営破綻を未然に防止していく取り組みを全中・県中が一体となって進めていくと力を込めた。
規制改革会議の「意見」に対しては、国際協同組合同盟(ICA)も協同組合を攻撃するものとして非難声明を出している。
萬歳会長は「私たち(JA)は農家が組合員であり、農家が作ってきた組織。農産物の共同販売や資材の共同購入など、JAを通じて農家の営農と暮らしの向上をはかってきた。JAは地域の農家にとってなくてはならない組織であり、その事業活動を支えてきたのが連合会であり中央会。時代の変化に応じ、変えるべきところは変革してきたが、世界に類を見ないこの総合JAというシステムはこれからも必ず日本農業の将来に貢献すると信じている」と強調した。
(関連記事)
・JAグループ輸出推進協議会を設置(2014.06.05)
・【コラム・目明き千人】農協組織は逆三角形です(2014.06.05)
・【農協改革】攻撃はねのけ自ら改革 JA全中(2014.06.03)
・【農協改革】ICAが規制改革会議を非難(2014.06.03)
・「農協の制度改革に強い懸念」JJCが声明(2014.06.02)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 埼玉県2024年11月5日
-
【特殊報】二ホンナシに「ニホンナシハモグリダニ」県内で初めて確認 佐賀県2024年11月5日
-
【注意報】トマトに「トマト黄化葉巻病」 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年11月5日
-
肥料費 28%増 米生産費 8年ぶりに10a13万円台 23年産米2024年11月5日
-
9割方が成約したクリスタルの取引会【熊野孝文・米マーケット情報】2024年11月5日
-
愛媛で豚熱 国内94例目 四国で初2024年11月5日
-
「ちんたいグランプリ2024」で準グランプリ受賞 ジェイエーアメニティーハウス2024年11月5日
-
生産量日本一 茨城県産「れんこん」30日まで期間限定で販売中 JAタウン2024年11月5日
-
「秋のまるごと豊橋フェア」7日から全農直営飲食店舗で開催 JA全農2024年11月5日
-
SAXES乾燥機・光選別機向けキャンペーンを実施 分析サービス「コメドック」無料お試しも サタケ2024年11月5日
-
中古農機具の買取販売専門店「農機具王」決算セール開催中 リンク2024年11月5日
-
ニッポン全国めん遊記「冬・年越しそばを噛みしめて」160人にプレゼント 全乾麺2024年11月5日
-
【人事異動】J-オイルミルズ(11月1日付)2024年11月5日
-
「起農みらい塾」食のイベント会場で学びの成果を披露 JAグループ広島2024年11月5日
-
グループの特例子会社2社を合併 クボタ2024年11月5日
-
病害虫対策を支援 農業向けアプリ「FAAM」をアップデート 11月中旬に配信2024年11月5日
-
乳の価値再発見「ジャパンミルクコングレス」最新のミルク研究を発表 Jミルク2024年11月5日
-
日本酒を鍋料理と合わせて楽しむ「鍋&SAKE」キャンペーン実施 日本酒造組合中央会2024年11月5日
-
宅配インフラ活用 家に居ながらフードドライブに協力 パルシステム千葉2024年11月5日
-
草刈りは手放しで AI+自律走行「MAIRAVO」コンセプト機発表 オカネツ工業2024年11月5日