モンゴルとのEPA 大筋合意2014年7月23日
農林水産省は7月22日、日本とモンゴルとのEPA(経済連携協定)の大筋合意の概要を発表した。
交渉は24年6月に開始され7月22日に両国首脳間で大筋合意を確認した。 農林水産物の市場アクセスについて、日本側は米、小麦、砂糖、豚肉が関税撤廃等の対象から除外した。
ただ、牛肉と乳製品ではモンゴル側の輸出関心品目である一部調整品などに関税割当を導入することになった。
「冷凍牛肉」では「枝肉」は関税撤廃等の対象から除外したが、それ以外は「5年目に再交渉」とされた。「生鮮・冷蔵牛肉」は関税撤廃等の対象から除外した。
「牛肉調製品」では、ビーフジャーキー、コーンビーフ、牛肉缶詰、レトルトカレー、ミートボールなどに関税割当を導入し5年目に再交渉することとした。割当枠数量は1年目に対象品目計で60tとし5年めに200tまでの拡大する。枠内税率は枠外税率の2割削減とする。
対象以外の牛肉調整品については「関税撤廃等の対象から除外または5年目に再交渉」で合意した。
乳製品ではフレッシュチーズ、プロセスチーズは5年目に再交渉するとされたが、熟成チーズについては日本市場開拓を目的とした関税割当を導入し5年目に再交渉することに合意した。割当枠数量は1トンで枠内税率は無税。輸出実績が数量枠を超えた場合は、枠拡大について翌年に再交渉する。乳飲料の一種であるカードドリンクでも同様の条件で合意した。対象以外の品目は関税撤廃等の対象から除外することとされた。
また、でん粉もほとんどが関税撤廃等の対象から除外することで合意したが「ばれいしょでん粉」については5年目に再交渉するとされた。
一方、モンゴル側は切り花、リンゴ、ナシ、モモ、ミカンの関税の即時撤廃に合意した。また、イチゴと酢、味噌は5年撤廃、しょうゆは10年撤廃などにも合意した。
日モンゴルEPA交渉では市場アクセスだけでなく、モンゴルの食料・農業セクターの発展に日本が支援することにも合意した。具体的には▽口蹄疫の清浄地域の確立に向けた支援を含む感染症対策や小麦の生産性と品質向上の支援、▽食肉加熱処理施設への支援、▽モンゴル製品の日本市場での展示支援などを官民連携で協力することで、フード・バリューチェーンの構築に取り組む。
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