医療・福祉と食・農連携を 農水省がシンポ2014年9月4日
地域活性化への可能性探る
医療や福祉と連携した食品や農業の取り組みが、あらたな可能性として注目されている。農水省は5日、本庁で医福食農連携シンポジウムを開き、地域活性化に向けた連携の可能性を探った。
医福食農の連携は、平成25年閣議決定された「日本再興戦略改訂2014―未来への挑戦―」による、「医福食農連携等により新たな国内市場を開拓する」で位置づけられた。それに基づいて農水省が厚労省などの協力を得て取り組んでいるもので、農産物の新たな国内市場の開拓と健康長寿社会の実現を目指す。
シンポジウムでは、薬用作物の利用拡大を図っている養命酒製造(株)(東京都渋谷区)、介護食品の開発・普及に力を入れている井村屋グループ(三重県松阪市)、それに障がい者の就労参画を実現している(株)九神ファームめむろ(北海道芽室町)、地域資源を活用した新規需要開発を目指す(株)香寺ハーブ・ガーデン(兵庫県姫路市)の4社が、自社の取り組みを報告した。
養命酒製造は、薬用作物の産地化を進めることで、耕作放棄地の活用や中山間地域の活性化が可能として、山口市でクロモジ(烏樟)産地づくりの事例を紹介。井村屋グループは通常の2倍のカロリーを持つ豆腐の開発を進めている。「継続的摂取で体力を維持できる可能性があり、高齢者にリーゾナブルな価格での提供を目指す」という。
また九神ファームめむろは、「農業は障がい者にとって、びっくりするほどマッチする」と、障がい者の就労の場として、農業を位置付け、その価値を強調する。香寺ハーブ・ガーデンはハクサイやネギが霜に遭うと甘くなることをヒントに不凍タンパクを商品化。冷凍食品の品質保持剤、デンプンの老化防止剤をして活用し、将来、食品添加物の代替を目指す。
ディスカッションのコーディネーターを務めた妹尾堅一郎・NPO法人産学連携推進機構理事長が、医福食農連携のあり方として、[1]異業種、異業間、[2]地域と地域、[3]異質人材の3つを挙げ、「気付き、学び、考える」ことの大切さを指摘した。
(写真)
医療・福祉、食・農の連携のあり方を探ったシンポジウム(農水省本庁で)
(関連記事)
・医療・福祉との連携強化 農水省がシンポジウム(2014.08.25)
・農経連携のパイプ役に 農林中金がセミナー(2014.04.16)
・林 芳正 氏(農林水産大臣)(2014.01.01)
・医療・福祉との連携で新たな付加価値を(2013.10.17)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日