27年度予算概算要求 2兆6500億円を要求2014年9月22日
活力創造プラン実践へ
農林水産省が8月末に決めた27年度農林水産予算概算要求はシーリング上限の2兆6541億円とした。26年度は概算要求額2兆6093億円に対して当初予算は2兆3267億円が計上された。当初予算との比較では14.1%増の要求額となった。
柱のひとつが担い手への農地集積・集約化による構造改革の推進。農地集積バンクの本格稼働を見据え26年度当初予算より271億円増の576億円を要求。現在、担い手利用面積が農地全体の約5割だが平成35年までに8割となるようめざす。
農地中間管理機構の事業費を増額するほか、農地の出し手に対する協力金を100億円から287億円に増やす。あわせて農業農村整備事業で農地の大区画化、汎用化なども推進する。耕作放棄地再生利用緊急対策では再生作業や土づくりなどに10a5万円?2.5万円の支援メニューなどを実施し27年度は1.2万haの放棄地解消をめざす。
青年就農給付金(原則45歳未満)は約30億円増の178億円を要求した。給付金のうち独立して営農する経営開始型は年間最大150万円を最長5年間給付。親からの経営継承や独立部門での経営も対象。ただ、27年度の新規給付金対象者から前年の所得に応じて給付金額を変動させる。青年新規就農者は毎年2万人定着させ、平成35年までに40代以上の農業従事者を約40万人に拡大する目標だ。
担い手経営発展事業では集落営農の組織化・法人化や複数個別経営の法人化に向け、労務・財務管理の研修などを支援する。
経営所得安定対策では米の直接支払い交付金が半減し10aあたり7500円となり29年産で廃止される。
27年度予算では収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)移行円滑化対策として274億円を要求した。これは26年産米の価格が下落してナラシ対策で補てんが行われる場合、国費相当分の5割を交付するもの。26年産に限っての措置。対象は26年産の米の直接支払い交付金の対象者でナラシ対策に加入していない農業者。農業者の拠出は求めない。
【27年度農林水産予算概算要求の重点事項 (1)】((カッコ内)は26年度当初予算額)
○担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進
▽農地中間管理機構の本格稼働 576億円(305億円)
▽農地の大区画化等の推進(公共) 1429億円(1064億円)
▽耕作放棄地再生利用緊急対策交付金 19億円(19億円)
▽新規就農・経営継承総合支援事業 285億円(218億円)
うち青年就農給付金 178億円(147億円)
▽担い手経営発展支援事業 6億円(5億円)
○新たな経営所得安定対策の着実な実施
▽畑作物の直接支払交付金所要額 2093億円(同)
▽水田活用の直接支払交付金2770億円(同)
うち産地交付金 804億円(同)
▽(関連対策)
・飼料用米の利用拡大に向けた畜産機械リース事業(新規)59億円
・配合飼料供給体制整備促進事業(新規)4億円
▽米の直接支払交付金 806億円(同)
▽収入減少影響緩和対策(所要額) 802億円(751億円)
▽収入減少影響緩和対策移行円滑化対策 274億円
▽収入保険制度検討調査費 6億円(3億円)
(関連記事)
・【JA革命】第4回 農業法人化のトップランナー宮崎県 県中央会がバックアップ(2014.09.12)
・新規就農者5万810人 平成25年(2014.08.18)
・世界に示せ!「地域と家族」の旗印 板橋衛・愛媛大学農学部准教授(2014.07.30)
・【インタビュー】「農協改革」の真意 所得増と地域貢献 森山 裕・衆議院議員(2014.07.10)
・【農協改革】中央会は再出発、安倍総理が強調(2014.07.01)
重要な記事
最新の記事
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日
-
厚木・世田谷・北海道オホーツクの3キャンパスで収穫祭を開催 東京農大2024年11月22日
-
大気中の窒素を植物に有効利用 バイオスティミュラント「エヌキャッチ」新発売 ファイトクローム2024年11月22日
-
融雪剤・沿岸地域の潮風に高い洗浄効果「MUFB温水洗浄機」網走バスに導入 丸山製作所2024年11月22日
-
農薬散布を効率化 最新ドローンなど無料実演セミナー 九州3会場で開催 セキド2024年11月22日
-
能登半島地震緊急支援募金で中間報告 生産者や支援者が現状を紹介 パルシステム連合会2024年11月22日