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TPPは憲法違反 提訴に向け準備会を結成2014年9月29日

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原告団1万人めざす反対運動粘り強く

 TPP(環太平洋連携)協定交渉は、農産物の関税問題だけでなく、医療制度や保険、知的財産、公共事業、食の安全など暮らしの仕組みに大きく影響しかねない協定であるにもかかわらず、その交渉状況は保秘義務をたてに国民に知らされていない。こうしたTPP交渉は国民の知る権利を侵害しているだけでなく国民主権や、国民の生命、自由など基本的人権尊重を原則とする日本国憲法に違反するとして提訴するため「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」設立準備会が9月24日、発足した。広く参加を呼びかけ、最終的には1万人規模の原告団を結成し年内にも提訴する方針を決めた。

◆基本的人権を侵害

準備会設立を説明する山田正彦氏 24日の会合で会代表には原中勝征・前日本医師会会長が選ばれた。副代表には池住義憲・立教大教授と和田聖仁・弁護士、幹事長には山田正彦・元農相が就任した。
 同会はTPPについて裁判所に対し[1]違憲確認訴訟、[2]交渉差し止め請求、[3]国家賠償請求を提訴する方向で5月から検討を重ねてきた。
 この日は弁護団の1人、岩月浩二弁護士(名古屋市・守山法律事務所)が訴訟の骨格について説明した。
 岩月弁護士はTPPの本質は「暮らしの仕組みを一変させること」だと強調する。海外企業の自由な参入や活動の妨げになるような国内の制度・慣行を取り払う、いわゆる非関税障壁の撤廃をTPPはめざす。
 WTO(世界貿易機関)協定も貿易自由化をめざすものだが、何をどの程度自由化するかは加盟国それぞれが提起してルールを交渉してきた。それに対してTPPは関税も非関税障壁も撤廃が原則。各国固有の食、自動車など安全基準や環境規制、医療制度や公共事業のあり方などを認めない世界をめざす。
 裁判では、こうした協定は国民の生命、健康、財産、幸福追求など基本的人権尊重の原則が侵害されると訴える。
 また、投資家が紛争解決のために国家を訴え賠償金などを請求できるISDS条項は、日本の裁判よりも国際調停という名の私的裁判のほうが優先されかねず、国家主権も侵害される。
 岩月氏は「TPPは憲法の3原則のうち、国民主権、基本的人権の尊重という2つを侵害する」と指摘、個々人の生命や自由を保障している13条、国民の知る権利を保障している21条、国会を国会の最高機関と定めた41条などに違反していると訴えていく方針を示した。

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準備会設立を説明する山田正彦氏

 

◆生の声を法廷へ

 TPP交渉は妥結もしておらず実行にも移されていない。しかし、秘密裏に交渉が進められ、かりに協定が発効しても交渉経過など4年間は秘匿すると言われている。
 副代表の池住義憲・立大教授は「TPP協定で何が生じるか火を見るより明らかなことは多々ある。今から不安に思い、権利侵害、不利益、苦痛を感じている人は多いはず。その生の声をどれだけ集められるか、(違憲訴訟は)すべてそこにかかっている」と話す。
 裁判といえば法律の専門家たちが行うもので、一般市民は関われないと思いがちだ。しかし、「TPP交渉の成り行きを見て、このままでは将来がないと不安に思ったり離農した畜産農家やサトウキビ農家、米農家など、さらに子どもの健康を懸念する女性のみなさんたちにぜひ訴訟に参加してほしい」と山田正彦氏は話し、各地で反対運動を粘り強く続けてきた現場の人々にこそ新たな運動として加わってほしいと呼びかけている。
 裁判は法廷での生の声による「弁論」こそが重要で、それを法律家たちによる「理論」が裏付ける。さらにその訴えを広めて「世論」をつくるという3つの「論」によって裁判を運動にしていくのだという。池住氏は「単なる弁護団とせず“違憲訴訟の会”としたのはそのためです」と強調した。
 同会は個人での参加を原則とする。年会費2000円で会員となり、そのなかから原告を募る方針。原告団は1万人をめざす。交渉の進展状況を見極めるが年内には提訴する方針。その時点で会名から「設立準備会」を削除して「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」へと移行する。

◇   ◇

 呼びかけ人には歌手の加藤登紀子さんや元外交官の孫崎享さん、ジャーナリストの堤美果さんら。生活クラブ生協の加藤好一理事長やパルシステム生協連の山本伸司理事長も名を連ねている。
 18日に逝去した宇沢弘文・東大名誉教授も加わった。山田正彦氏は病床の宇沢氏から夫人代筆のはがきが寄せられ呼びかけ人を引き受ける思いと関係者への激励の言葉が綴られていたことも明らかした。

【TPPの違憲性】
○21条
「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障する」によって「知る権利」を保障
【違憲性】
保秘義務をたてに内容が知らされない。
○13条(幸福追求権)
「・・・生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については公共の福祉に反しない限り・・・最大の尊重を必要とする」
○25条(生活権)
「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
【違憲性】
農業壊滅による生活破壊、医療・保険制度の改悪、食の安心・安全の仕組みの崩壊などは、国民の権利・生活を侵害。
○76条(司法主権)
「すべて司法権は最高裁判所および法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」
【違憲性】
ISDS条項に基づく投資家による国家の提訴のよる海外での私的裁判。
○41条
「国会は国権の最高機関であって国の唯一の立法機関である」
【違憲性】
 国会議員すら協定の草案などにアクセスできないまま、国内法の改正判断を迫られる。


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