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実質賃金下がり物価は上がる 総務省2014年11月4日

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総務省9月の家計調査、物価指数を公表

 総務省は10月31日、平成26年9月の「家計調査(速報)」(二人以上世帯)と「消費者物価指数」(全国)を公表した。

 これによると、9月の二人以上の世帯の「勤労者世帯の実収入」は、前年同月比実質で6.0%の減少(名目2.3%減少)と、25年10月以降12カ月連続の減少となっている。
 一方「消費者物価指数(全国)」は、総合指数で前年同月比3.2%の上昇(前月比は0.2%の上昇)となっている(下グラフ参照)。

消費者物価指数と実質収入指数

 日銀は、生鮮食品・消費増税の影響を除いた消費者物価指数が、今年4月に1.5%まで伸びたが、その後の原油安などで伸び率が低下し、9月は1%まで下がったために、「ここまで進んできた脱デフレの千載一遇のチャンスを逃してはならない」(日本経済新聞11月1日付朝刊)と「金融追加緩和」を打ち出した。
 その影響で株価は上がったが、円安がさらに加速し1ドル110円台に突入している。
 円安の進行はこれまでも「輸出を増やす」ことはなく、海外に生産拠点を移している自動車などの企業には追い風となっているが、輸入原料に依存し国内で生産する企業にはコスト高となり、中小企業などでは経営の危機に直面しているところも多い。しかも働いている人の賃金が上がる見通しは暗く、物価ばかりが上昇し、国民の財布には「冷たい風」が吹いている。
 円安で一部の海外に生産拠点を移した企業だけが潤うのが、アベノミクスの「経済成長」ということのようだ。農業政策もそうだが、一部の人たちの利益を優先し、大多数の農業者、国民を犠牲にする政策がいつまで続くのか。そろそろ「店じまい」して欲しいし、させなければいけない時期に来ているのではないか。二つの統計調査をみてそう感じたのは記者だけだろうか。


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