農地集積バンクの転貸500ha 中間管理事業2014年11月27日
農地中間管理機構による農地の借入れと転貸は8月末時点で全国500haにとどまっている。農水省は、現場では収穫期を終え農地の流動化の取り組みが本格化しつつあるとしているが、各都道府県の機構に対し推進体制の整備を強力に指導することにしている。
11月25日に開かれた規制改革会議農業WGと産業競争力会議実行実現点検会合の合同会合で農水省が説明した。
農地中間管理機構法は昨年12月に国会審議を経て成立、今年3月1日施行され現在までに47都道府県で機構が指定されている。機構と県行政の推進体制整備を加速するため農水省は都道府県に対して研修会開催やヒアリングなどを実施してきている。
農水省のまとめでは機構の専任職員は全国合計で約500人、県庁等の兼任職員は約100人だという。
農地の借り受け希望者の公募はほとんどの県で実施済みで9月末現在の応募状況は、全国合計で3万経営体、23万haとなっている。このうち企業は500経営体、1万haとなっている。
実際に機構が農地を借入れ、担い手に転貸した実績は8月末までに5県で試行的に実施したが500haにとどまっている。政策目標は、担い手への農地集積を現状の5割から10年後に8割へと高めること。そのためには1年換算で全国合計で13?14万haを担い手に集積することになる。
合同会合で「知事に農地を貸してください」と農地流動化を進める熊本県のほか、秋田県も農地集積事業の優良事例として報告があり、農水省は全県を優良事例を横展開していく必要があると説明した。
推進にあたっては▽客が来るのを待つ不動産屋ではなく地域農業の将来デザインを実行していくデベロッパーとしての自覚を持って取り組む、▽現場でコーディネートに当たる職員等の体制を充実させることなどを指導する方針だという。
◆機構の業務委託 JAが2割
また、機構の業務委託先は約7割が市町村で約2割がJAとなっている。会合では▽熊本県の成功事例をもっと分析すべき、▽担い手に8割集積を実現するには最初の数年にダッシュをかけるべき、▽農地が出し手が少ないのであればもっとインセンティブが必要ではないか、▽機構を有効にするには役員陣も新しく。実績が上がらなければ最適化を図るべき、▽業務委託先がJAだけでは公平性を欠くなどとの意見があった。
この事業については各県の来年3月末までの実績数字をふまえて官邸本部等評価して、その結果を公表することになっている。
(関連記事)
・JAの総合事業は地方創生の原動力 JA全中・冨士重夫専務(2014.11.04)
・農業WGが議論再開 農協改革も点検(2014.10.21)
・(89)「概算要求のポイント」の問題点(2014.10.16)
・27年度予算概算要求 2兆6500億円を要求(2014.09.22)
・【JA革命】第4回 農業法人化のトップランナー宮崎県 県中央会がバックアップ(2014.09.12)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(133)-改正食料・農業・農村基本法(19)-2025年3月15日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(50)【防除学習帖】第289回2025年3月15日
-
農薬の正しい使い方(23)【今さら聞けない営農情報】第289回2025年3月15日
-
イタリア旅行の穴場【イタリア通信】2025年3月15日
-
政府備蓄米 初回9割落札 60kg2万1217円 3月末にも店頭へ2025年3月14日
-
【人事異動】JA全共連(4月1日付)2025年3月14日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年3月14日
-
(426)「豆腐バー」の教訓【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月14日
-
実需者と結びつきある飼料用米 支援継続を 日本農業法人協会2025年3月14日
-
オホーツクの恵み 完熟カボチャからフレークとパウダー JAサロマ2025年3月14日
-
日本一の産地の玉ねぎがせんべいに 産地の想い届ける一品 JAきたみらい(北海道)2025年3月14日
-
みおしずくがクッキーに 日野菜漬はふりかけに JAグリーン近江(滋賀県)2025年3月14日
-
地域の歴史受け継ぎ名峰・富士の恵み味わう かがり火大月みそ JAクレイン(山梨県)2025年3月14日
-
【人事異動】JA全厚連(4月1日付)2025年3月14日
-
高まるバイオスティミュラント普及への期待 生産者への広報活動を強化 日本バイオスティミュラント協議会2025年3月14日
-
岩手県大船渡市大規模火災での共済金手続きを簡素化 JA共済連2025年3月14日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第107回2025年3月14日
-
3月14日は「蚕糸の日」 大日本蚕糸会2025年3月14日
-
種苗・農産物輸出の拡大に向けた植物検疫のボトルネック解消「農研植物病院」へ出資 アグリビジネス投資育成2025年3月14日
-
【役員人事】農中信託銀行(4月1日付)2025年3月14日