「田畑の世話」で認知症リスクを抑制2014年11月28日
JA共済総研が研究結果発表
「田畑の世話」が高齢者の介護や認知症のリスクを抑制している可能性があることが、JA愛知厚生連足助病院とJA共済総研など協同研究で示された。『共済総合研究』第69号で発表されている。
愛知県足助町の中山間地域を含む農村地域の住民を対象にJAあいち豊田、JA愛知東などが協力して行った「認知症アンケート」結果から示された。同アンケートは今年2月から3月にかけて実施され、回答数は6500を超えた。
「認知症ケアと地域力」と題しJA共済総研の川井真主席研究員が報告している。
報告のなかで川井氏は「田畑の世話」をキーワードに身体機能や精神状態をクロス集計した結果を紹介。男女とも「田畑の世話」は「なし」と回答した集団では、加齢とともに身体機能評価が「不良」となっている割合が増えていた。
一方、「田畑の世話」は「あり」と回答した集団のうち、とくに男性では、加齢に逆行し高齢層ほど身体機能が「良」の割合が増えていることが示された。
また、「田畑の世話」は、知的能動性(学習意欲や知的好奇心など)、社会的役割とも関係し、田畑の世話をしている高齢者のほうがいずれの指標も良好だった。川井氏は田畑の世話には「精神的な効果も期待できることが明らかになった」と指摘しているほか、田畑が自然に囲まれた公共スペースになっていることから田畑の世話が社会と関係を保つことにつながっているのではと分析している。そのほか田畑の世話がすべての年齢層で「うつ」を抑制していることも示された。川井氏は「農業が認知症リスクの抑制に関係することは明確になったのではないか」と話す。
また本アンケートが9000戸以上に配布され6500部を超える回答が得られたこと自体について「地域力と人間力の結集があったからこそできた調査」と評価し、地域の課題を正確につかむためにもJAなどが核になった地域つながりが重要になっていることも強調している。
『共済総合研究』はJA共済総研ホームページで全ページ無料で公開されている。
(関連記事)
・家族農業と総合JAとは密接不可分(2014.11.19)
・地方創生―主役は農業協同組合 今村奈良臣・東大名誉教授(2014.11.13)
・ES向上通じてCS向上 JA共済がセミナー(2014.11.11)
・販売事業34県で増加 総合JA決算概況(2014.11.11)
・新たな中央会制度 農協法に位置づけを(2014.11.07)
重要な記事
最新の記事
-
産地を応援「メイトー×ニッポンエール フルーツソルベ瀬戸内広島レモン」発売 JA全農2025年3月17日
-
カーリング女子日本代表チームを「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年3月17日
-
選りすぐりのさせぼ温習みかんで果汁100%ジュース コクと甘み、余すところなく JAながさき西海2025年3月17日
-
雪のような白さと深い味わい 自慢のにんにく使った2品 JA十和田おいらせ2025年3月17日
-
香ばしい薫りと広がる梨の甘み 伝統の梨が職人の技でみるくまんじゅうに JAセレサ川崎2025年3月17日
-
【人事異動】JA共済連(4月1日付)2025年3月17日
-
JA共済連 全国本部組織機構を改編2025年3月17日
-
円建劣後ローンによる調達を実施 JA共済連2025年3月17日
-
親子で学ぶ通学路の交通安全 「てぃ先生」とコラボの啓発動画を公開 JA共済連2025年3月17日
-
JA帯広かわにし「十勝川西長いもとろろ」など宇宙日本食5品目がISSに搭載2025年3月17日
-
【今川直人・農協の核心】農産物需給見通しが示す農協の方向(1)2025年3月17日
-
短時間の冠水で出芽率が低下 ダイズ種子の特徴を明らかに 農研機構2025年3月17日
-
甘い味がする新規の香気成分を発見 甘さを感じる仕組みを解明 農研機構2025年3月17日
-
林業用安全装備品の購入費用助成 2025年度を募集 農林中金2025年3月17日
-
「上を向いて、笑おう。御堂筋天国~旬のたよりマルシェ~」開催 農林中金、三井不動産、御堂筋まちづくりネットワーク2025年3月17日
-
投資家向け農業事業「ノーサ」新プラン「しいたけ栽培オーナー」募集開始 クールコネクト2025年3月17日
-
大分県に初のコメリパワー「三重店」29日に新規開店2025年3月17日
-
果樹生産の大規模化と効率化へ大分県・国東市と協定「ファーマインド大分農園」開園へ2025年3月17日
-
カップめんの悩み解消 大豆ミート「マシマシの種 ミンチタイプ」新発売2025年3月17日
-
米価高騰問題を先物市場で考える【森島 賢・正義派の農政論】2025年3月17日