農協の監査、選択制検討を示唆 西川農相2015年1月7日
西川農相は1月6日の記者会見で中央会制度の改革について話し、全中の監査権限について「今のところは強制権限は持たないと、こういうことで、これからあり方を詰めていきたい」との考えを示した。
西川農相は農協改革の議論のうち中央会制度については、昨年6月に政府・与党で「自律的な新たな制度に移行する」ことは合意されていると強調した。
そのうえで「地域農協の自由な経済活動をどう進めてもらうかが大きな課題」だとして、これから議論するとしながらも中央会が「強制権限を持たない新たな法人形態に移行する必要があると、私どもは考えている」との考えを示した。
「強制権限を持たない」とは「強制監査権は持っていただかない、持たない。そして農協の自由な発想で活動する、こういうこと」と述べた。 ただ、一方では「強制権限を外すことイコール農協の監査制度を止めるということにはつながらないと思う」と述べたほか、「監査法人にお願いすればいいじゃないかという意見もある。どちらが本当に農協経営に有効か、相当幅広いほうがいいんじゃないか、という意見もある」と話し、農協が監査を選択できる仕組みへの変更を検討していることを示唆した。
また、「どういう形がいちばん農協の監査にとっていい方法か、私どもなりの案も示していって、農協側の意見も聞くということで進めさせていただければと思う」とJAグループと協議をすることも強調した。
農協の監査制度は、協同組合として▽組合員のニーズにあった事業運営がされているか、▽組合員が安定して事業利用ができる健全な経営になっているかを、業務監査と会計監査を一体的に行っているもの。JAグループの自己改革の方向でも「協同組合の特質をふまえた監査制度として品質向上をはかる」とし、このような監査実施のために中央会を農協法に位置づける必要があるとしている。
(関連記事)
・農協改革、一致団結で乗り切ろう! 萬歳会長(2015.01.05)
・【農業・農協改革】地域の協同活動を支援 生活・営農施設を充実 小内敏晴・JA佐波伊勢崎(群馬県)常務(2014.12.22)
・農協改革「精力的に話を詰める」 西川農相(2014.12.18)
・【農業・農協改革】協同組合の理念を実践 宮永均・JAはだの(神奈川県)参事(2014.12.18)
・【農業・農協改革】地方創生は農協が担う 阿部雅良・JAみどりの(宮城県)代表理事専務(2014.12.15)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(133)-改正食料・農業・農村基本法(19)-2025年3月15日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(50)【防除学習帖】第289回2025年3月15日
-
農薬の正しい使い方(23)【今さら聞けない営農情報】第289回2025年3月15日
-
イタリア旅行の穴場【イタリア通信】2025年3月15日
-
政府備蓄米 初回9割落札 60kg2万1217円 3月末にも店頭へ2025年3月14日
-
【人事異動】JA全共連(4月1日付)2025年3月14日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年3月14日
-
(426)「豆腐バー」の教訓【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月14日
-
実需者と結びつきある飼料用米 支援継続を 日本農業法人協会2025年3月14日
-
オホーツクの恵み 完熟カボチャからフレークとパウダー JAサロマ2025年3月14日
-
日本一の産地の玉ねぎがせんべいに 産地の想い届ける一品 JAきたみらい(北海道)2025年3月14日
-
みおしずくがクッキーに 日野菜漬はふりかけに JAグリーン近江(滋賀県)2025年3月14日
-
地域の歴史受け継ぎ名峰・富士の恵み味わう かがり火大月みそ JAクレイン(山梨県)2025年3月14日
-
【人事異動】JA全厚連(4月1日付)2025年3月14日
-
高まるバイオスティミュラント普及への期待 生産者への広報活動を強化 日本バイオスティミュラント協議会2025年3月14日
-
岩手県大船渡市大規模火災での共済金手続きを簡素化 JA共済連2025年3月14日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第107回2025年3月14日
-
3月14日は「蚕糸の日」 大日本蚕糸会2025年3月14日
-
種苗・農産物輸出の拡大に向けた植物検疫のボトルネック解消「農研植物病院」へ出資 アグリビジネス投資育成2025年3月14日
-
【役員人事】農中信託銀行(4月1日付)2025年3月14日