農地440万haを確保 新たな基本計画2015年3月19日
農林水産省は新たな基本計画と併せて策定する目標のうち、農地については平成37年時点で440万haを確保することを目標とする。
現行の基本計画では平成32年度に461万haを確保することを目標としていたが、平成26年で農地は452万ha。平成9年には495万haあったがこの17年間で40万ha以上減少したことになる。
農水省の見通しではこれまでの趨勢が今後も継続した場合、37年時点では420万haとなる。農地の転用で11万ha、荒廃農地の発生が21万haのあわせて32万haも減少してしまう。
そこで農水省は農地集積バンクによる担い手への農地集積や水田活用の直接支払い交付金などの政策支援によって14万haの荒廃農地発生を抑制し、さらに5万haの荒廃農地の再生と、東日本大震災からの復旧1万haも見込み37年時点で440万haの農地面積を確保することを目標にした。
農業構造の姿としては今後10年間で全農地の8割が担い手によって利用されることをめざす。過去10年間で担い手の農地利用面積は3割から5割まで増加した。
「担い手」の姿は効率的かつ安定的な農業経営(主たる従事者が他産業従事者と同等の年間労働時間で地域における他産業従事者とそん色ない水準の生涯所得を確保し得る経営)になっている経営体と、それをめざしている経営体の両者。
「効率的かつ安定的な農業経営をめざしている経営体」とは▽認定農業者、▽将来認定農業者となると見込まれる「認定新規就農者」、▽将来法人化して認定農業者となることも見込まれる「集落営農」としている。
土地利用型農業では担い手が8割の農地利用すると300万ha程度となる。1人が10ha程度を耕作するとすれば、基幹的農業従事者と雇用者は約30万人が必要となる。
一方、野菜・果樹・畜産など土地利用型作物以外で生産力を維持しようとすると、基幹的農業従事者約50万人、雇用者(常雇い)約10万人の計約60万人が必要となる。
合わせて約90万人が必要となるが、農水省は40代以下の増加数が2倍になると仮定して試算すると37年に60代以下が101万人(40代以下44万人)になるとしている。そのためには年間約2万人の青年層が新規就農し定着する必要がある。現在は青年層の新規就農定着者は約1万人だ。新規就農者の農業継続を後押しする施策も重要になる。
(関連記事)
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