【TPP】JAグループが国会決議実現へ特別決議2015年3月20日
JA全中と全国農政連は3月20日、東京都内で「国会決議実現に向けたTPP交渉情勢報告会」を開いた。
全国からJA関係者ら700人が集まった。
JA全中の萬歳章会長は、日本政府が早期の妥結をめざして交渉をしており、大型連休中の日米首脳会談で重要な局面となる可能性に強い懸念を表明した。
情報開示されないなか、米を含む重要品目で日本が譲歩するかのような報道に現場は大きな不安に陥っていることを強調し、「かりにこれらの報道が正しいのであればまったく受け入れられるものではない」と訴えた。
国会決議は農産物の重要品目を守ることだけでなく、食の安全確保や国の主権を損なうISD条項は認めないなど、国民の暮らしと命に関わる分野も多いとして「広く国民に国会決議の実現を繰り返し訴えていかなければならない。意思結集が極めて大事だ」と強調した。
報告会では情勢報告に続き、JAみやぎ登米の榊原勇組合長ら4人が意見を表明。今こそ交渉から即時撤退のときではないのか、などと主張した。 報告会では「TPP交渉における国会決議実現に向けた特別決議」を採択した。
(写真)
国会決議実現に向けたTPP交渉情勢報告会
【特別決議全文】
TPP交渉は、米国・ハワイで首席交渉官会合が開催されたが、米国議会にTPA法案が提出されないなかで、大きな進展は見られなかった。他方、政府は、日米二国間協議の決着には、必ずしもTPAは必要でないという認識のもと、早期の交渉妥結を目指して精力的に交渉に臨んでいる。
4月には統一地方選が行われるとともに、大型連休中に安倍総理が訪米し、日米首脳会談が行われる予定となっている。今後、日米協議は重要な局面を迎えかねないが、国会決議の実現に向けた断固たる対応が何としても必要である。
1月下旬以降、米を含む重要品目に関するマスコミ報道が相次ぎ、現場は大きな不安と混乱の状況にある。政府による情報開示が十分でないなか、米を含めて譲歩を検討しているかのような報道内容は、農業生産力の拡大、農業所得の増大と全く逆の方向であり、仮にこれらの報道が正しいのであれば、全く受け入れられるものではない。
我々は、改めて「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること」をはじめ、食の安全・安心や、国民への十分な情報提供などを求めた国会決議を遵守するよう、政府・与党に対して強く求めるものである。
JAグループは、農業所得の増大、農業生産の拡大、地域の活性化に全力をあげて取り組んでいるが、こうした取り組みを前に進めていくためにも、全国各地から声をあげ、TPP交渉における国会決議が実現するよう、今後とも運動を展開していく所存である。
以上、決議する。
平成27年3月20日
(関連記事)
・農協の県別政治力(2015.03.16)
・【JA全中通常総会】あいさつ要旨(2015.03.13)
・総力あげ自己改革 第61回通常総会 JA全中(2015.03.13)
・協同 我らの思いが未来をつくる JA全国青年大会(2015.03.04)
・施政方針演説にみる安倍戦略(2015.03.03)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日