国連会議に参加 食料安全保障委員会で「キャンベラ宣言」発表2015年10月22日
第2回世界若者農業サミット参加者
第2回世界若者農業サミットの参加者代表は、10月12日から15日、ローマで開かれた国際連合食料農業機関(FAO)の第42回世界食料安全保障委員会(CFS)で「キャンベラ宣言」を発表した。
キャンベラ宣言は、8月にオートラリアのキャンベラで行われた「世界若者農業サミット」で、世界レベルでの食糧の安定供給に向けた具体的行動計画について議論し、創出した行動提言を昇華したもの。以下のように優先順位の高い5つのテーマで構成されている。
【キャンベラ宣言 5つのテーマ】
(1)教育と技能開発の促進
農業指導者が継続的な教育を通じて技能の向上を図るための、情報交換を促すオープンなウェブサイトや専門的な能力開発プログラムなどを含むマルチチャンネル・プラットフォームを構築する。
(2)農業の価値と農業におけるキャリアの価値の発信
農業の重要性や農家のイメージの向上、多様性を広く発信していく。
(3)社会に認められる、責任ある消費の促進
食糧流通の持続可能性を消費者が直接高められるよう、教育システムを開発する。そして食物の廃棄を減らすためのキャンペーンなどを行い、既存の資源や食糧の責任ある消費と社会の変化を促進するよう、消費者に働きかけていく。
(4)新たな生産システムの継続的発展に向けたイノベーション
農業分野の知識や情報、問題解決のためのソリューションなどを共有するプラットフォームを構築し、若きイノベーターと農業分野のニーズをつなぐグローバル・ネットワークを立ち上げる。
(5)個人や組織のリーダー・スキルの育成
各国の若者農業団体等を通じて、若者の持つリーダーシップスキルと影響力を向上させ、経験の共有や指導などの具現化を支援する。
宣言を発表したのは、オーストラリアで動物科学を学ぶ学生のローマ・グラブさんとケニアで商学を学ぶサンバ・オウマさん。2人は他にも、世界食料安全保障委員会の議長ヘルダ・フェルブルグ閣下とのミーティングなどにも参加し、世界若者サミットのメッセージを伝えた。
サンバ・オウマさんは、「キャンベラ宣言は世界の食料安全保障で最大の成果を実現することを目指し、若者が支援しあい、ネットワークを構築するための有効な枠組みと提言を示すもの。これは若者のために若者が作ったものです。より多くの人に届けられることを期待しています」と話した。
世界若者農業サミットは、バイエル クロップサイエンス(株)とフューチャー・ファーマーズ・ネットワーク(FFN)が共同で8月にオートラリアのキャンベラで開いたもので、世界33ヶ国から農業の未来を担う若者、日本人2人を含む100人が集まった。
(写真)ローマ・グラブさんとサンバ・オウマさん
(関連記事)
・第2回世界若者農業サミット 世界の若者が地球レベルの食糧問題で行動提言 (15.09.15)
・日本から2人参加 世界若者農業サミット (15.04.21)
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