6年連続39% カロリーベース食料自給率-27年度2016年8月2日
森山農相は8月2日、27年度の食料自給率と食料自給力指標を公表した。カロリーベース食料自給率は6年連続で39%と横ばいとなった。昨年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画では、平成37年にカロリーベースの食料自給率を45%に引き上げることを目標にしている。
カロリーベースの食料自給率は、米の消費量が1人1年当たり55.6kgから54.6kgに2%減少したことや魚介類の国内生産量が418万tと3%減となったことなどが引き下げ要因となったが、小麦とてん菜の国内生産が増加したことから、前年度と同率の39%となった。
27年度の1人1日当たり供給カロリーは2417kcalで、このうち国産供給カロリーは954kcalとなった。
小麦は85万tが100万tへ18%増加した。てん菜は357万tから393万tへ10%増加した。
生産額ベースの食料自給率は野菜と畜産物の国内生産額が増加したことから、前年度から2ポイント上昇して66%となった。国産野菜の価格は1kg193円が同216円と12%上昇した。国産の牛肉価格は同1548円が同1886円と22%上昇した。
食料の国内消費仕向額15兆9899億円で、このうち国内生産額は10兆4927億円となった。
27年から公表しているわが国の食料の潜在生産能力の指標である食料自給力指標は、農地面積の減少、面積当たりの収穫量の伸び悩みから低下傾向で推移している。
作付けパターンA(米・小麦・大豆中心、栄養バランス考慮)による供給カロリーは、昨年は1480kcalだったが、27年は1463kcalとなった。
パターンB(米・小麦・大豆)は、昨年は1850kcalだったが、27年は1827kcalとなった。いずれも推定エネルギー必要量2146kcalを下回っている。
パターンC(いも類中心、栄養バランス考慮)は昨年の2459kcalが2381kcalに低下、パターンD(いも類中心)も昨年の2738kcalが2687kcalに低下した。
6年連続でカロリーベース自給率が横ばいとなったことについて森山農相は「率直に言って、なかなか難しい。生産者の努力だけでなく、多くの国民の理解が必要。食育のなかでお互いが研鑚を積むことが大事」などと話し、なかでも自給率の高い米の消費については「まだ努力する必要がある。伸びしろがある」と述べ、米粉の消費拡大や、花粉症抑制機能のある米など機能性を高めた精米など消費者に評価される米開発も重要だと指摘した。
また、生産額ベースでは上昇した牛肉や野菜については、畜産クラスターによる生産基盤強化や稲作地帯への大型ハウス導入による複合経営の推進など経営安定策など生産対策の必要性もあげた
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