TPPは農業だけの問題ではない 長野で学習会2016年9月15日
JA長野中央会など構成するTPPに反対する連絡会(38団体)は9月9日、長野市で「TPP学習会」を開いた。主催団体関係者と一般市民含めた650人が参加した。
主催者を代表しJA長野中央会・各連合会の雨宮勇会長があいさつ。9月26日から始まる臨時国会でTPPの批准に向けた審議がされようとしていると述べ、「TPPは、国内農業が大きく取り上げられているが、関税の問題だけでなく、『食』『いのち』『くらし』に関わる21の幅広い分野が対象となている」とし、報道のない農業以外のTPPの内容を知りたいという声にこたえるために学習会を開催したと話した。
学習会では「TPPの真実と守るべき日本の宝」をテーマに国際ジャーナリストの堤未果氏が講演。米国では農業・医療・教育なども商品にしたため格差が拡大した現状やTPPの仕組みについて話した。
「ISDS条項とその影響」について長野県弁護士会の弁護士、小林正氏が講演を行い、条項の解説と、その影響として自由競争至上主義の立場から様々な制度が非関税障壁として標的とされるなどと指摘した。また注意すべき点として、すでに戦略特区の形を取りながらTPPが目指す社会が先取りされる現実があることを述べた。
最後に、TPPに反対する連絡会から県民に向けたメッセージを発信した。全文は次の通り。
TPPは、輸入農産物などの関税問題だけではなく、食の安全・安心や医療・保険、投資と金融、雇用など幅広い分野に影響を及ぼすことが心配されます。
今年2月に参加12カ国で署名されたTPPは、現在、国内手続きが進められています。わが国では、先の国会で十分な情報提供と本格的な議論が深まらず協定承認案および関連法案が先送りとなった中で、政府は今国会での批准に向け、前のめりの姿勢を崩していません。
TPPの与える影響からすれば、十分かつ慎重な国民的議論が必要で拙速に批准をしてはなりません。
世界情勢が目まぐるしく変わり、世界の中での日本の役割が変わろうとも、「日本の、地方の、長野県に暮らす人々が幸せになること」が変わってはなりません。
『今、TPPを問う。TPPは地方で暮らすわれわれに幸せをもたらすのでしょうか?』
われわれの「食」と「いのち」と「くらし」に影響を与えるTPPについて家族や友人等と話し合ってみませんか。
平成28年9月9日 TPPに反対する連絡会
※TPPに反対する連絡会は農林水産・消費者・医療などの団体。
(写真)TPP学習会
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