被災地の農地復旧83% 福島は46%2017年3月9日
農林水産省が今年1月現在にまとめた東日本大震災からの農林水産業の復旧状況によると、津波で被災した農地の復旧状況は被災6県計(青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉)で83%となっている。しかし、原発事故被害を受けた福島県では46%にとどまっている。
6年前の東日本大震災による津波で被災した農地は2万1480ha。このうち転用が行われた農地を除くと2万120haで、1月末時点での営農再開可能面積は1万6770ha、83%となっている。
そのほか、主要な排水機場は96%、農地海岸は84%、農業集落排水施設は98%の復旧状況となっている。
福島県では津波被災農地4800ha(転用農地を除く)のうち営農再開可能面積は2190ha、46%にとどまっている。原発事故による作付け制限で営農できない地域も広がった。
このうち避難指示区域の南相馬市、広野町、川内村、田村市、楢葉町では約2500haで米の作付けが本格的に再開している。除染については3月末にすべての農地で完了する見込みとなっている。
農林水産省は被災12市町村の営農再開に向けた農家個別訪問を行っている。認定農業者708名のうち訪問を受け入れると回答があった522名を対象に28年7月から11月に実施。聞き取り結果では、帰還前の認定農業者288名のうち、帰還を考えているのは180名(63%)だった。また、営農再開済み農業者、または営農再開を希望している農業者は訪問した農業者全体の85%にあたる444名だった。
営農再開に向けた要望では▽個人や小規模でも対象となる補助事業の創設、▽風評対策や販路確保への支援、▽集落営農への支援などがあがっている。
農水省では避難指示の解除が進みつつあるなか、営農再開を希望する農業者を対象に農業用機械・施設、家畜の導入など初期投資に対する支援を行うことで営農再開を加速したいとしている。
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