「核兵器のない世界」実現に向け声明 生協コープネット事業連合2017年5月8日
生協のコープネット事業連合と会員6生協は理事長連名で、5月1日に「私たちは『核兵器のない世界』の実現に向けて平和の願いを広げていきます」との声明を発表した。
この声明は、「被爆者の願いを受け止め、唯一の戦争被爆国である日本が、核兵器の脅威や悲劇を訴え続け」ることで、核兵器のない世界の実現に向けて、平和への思いや願いを広げていくことを声明している。
声明の全文は以下の通り。
◇ ◇
地球上では、今なお武力による紛争が絶えません。シリアや朝鮮半島などでは、軍事的な緊張が高まりつつあり、核兵器による脅迫が頻繁に行われています。また、新たな核兵器を開発する動きもあります。
現在、世界には核弾頭が1万数千発以上あるとされています。その破壊力は、広島・長崎の2発の原爆の数万倍に相当します。そして、核兵器の使用に一歩踏み込むと敵味方の区別は無く、人類や地球環境に取り返しのつかない壊滅的な影響を与えることになります。しかも核兵器は、国際条約や協定書などで禁止されている毒ガスなどの化学兵器や生物兵器をはるかに上回る破壊力を持っているにもかかわらず、国際条約などで禁止されていません。
2017年3月に国連の場で、核兵器禁止条約の交渉が始まりました。100力国以上の国と国際機関や非政府組織(NGO)なども参加し、年内の条約制定を目指しています。広島への原爆投下から72年、ようやく核兵器そのものを禁止する条約の制定に一歩を踏み出したことは大きな前進です。
しかし、アメリカをはじめとする核兵器の保有国は参加せず、唯一の戦争被爆国として核廃絶を訴えてきた日本も参加しないことを表明し、核軍縮をめぐる各国の立場の違いが際立つ形となっています。
この数十年、核兵器の保有国が主導する「核の抑止力」政策のもとでは、核兵器不拡散体制は揺らぎ、核兵器の削減も進まず、「核兵器のない世界」の実現に向けた取り組みは前進していません。今、国際社会が一致して協力できる新たな枠組みや仕組みが求められています。
私たちは、核兵器禁止条約の交渉に日本を含む全ての国が参加し締結することを強く望みます。日本は世界で唯一の戦争被爆国です。核兵器の恐ろしさ、戦争の悲惨さ、平和の尊さを身をもって体験された被爆者の皆さんは「ヒバクシャ国際署名」の中で、「後世の人びとが生き地獄を体験しないように、何としても『核兵器のない世界』を実現したい」と切望しています。私たちは、この願いをしっかりと受け止めていきます。
コープネットグループは人と自然が共生する社会と平和な未来を追求しています。平和は生協の活動の前提であり土台です。私たちは「核兵器のない世界」の実現に向けて、平和への思いや願いを広げていきます。
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