農協改革 31年5月末まで着実実施を2017年5月24日
規制会議JAの信用事業譲渡などフォローアップ
政府の規制改革改革推進会議は5月23日、安倍首相に対し、農業生産資材の引き下げや農協改革の着実な実施などを求める答申を提出した。安倍首相は「ただちに規制改革実施計画を策定し改革事項を一刻も早く実施に移していく決意だ」と述べた。
規制改革推進会議は昨年9月に改めて設置された。この日は、同会議としての第一次答申をまとめた。
農協改革については平成31年5月末までの農協改革集中推進期間中の「着実な自己改革を促す」とした。具体的には、中央会制度から新たな制度への移行、総合JAの信用事業の農林中金などへの譲渡などを挙げ、同会議として全農改革についても全農が策定した年次計画の実施状況も含め、進捗状況をフォローアップすると答申した。
全農については、生産資材の買い方、農産物の売り方に関する改革の「確実かつ計画的な履行を促す」としている。
記者会見で金丸恭文農業ワーキンググループ議長はJAの信用事業譲渡問題について「あくまでも現在の法律に則ったうえで、地域農協が自主的に判断をされていくと思っている」と述べたうえで、「ただ、地域農協が自主的な判断ができるような材料を、農林中金等がどれぐらい質の高いファクトに基づいたデータを提供しているのか、関心を持っている」と話したほか、「進捗状況についてヒアリングをしていくことになる」として、フォローアップの課題として位置づけていることを示した。
答申にはそのほか生乳流通改革や卸売市場法改正、農地中間管理機構の農地集積・集約事業の改善策の検討、森林・水産業分野での関係法令の見直しなども盛り込んだ。
卸売市場法については「合理的理由のなくなっている規制を廃止するために29年末までに具体的結論を出す」として見直しを急ぐ。水産業については「漁業の将来像について全体的な議論をしたい」と金丸座長は話し、現段階で漁業権など「特定の法律や制度をターゲットに決めているわけではない」との考えを示した。
会見で大田弘子議長は「残っている規制はいずれも構造的に難しいものばかり。すぐに撤廃、解禁というわけにはいかない。まず省庁を改革の土俵に乗せ、われわれが改革の方向を示す、これが第1ラウンド。その意味でこれからの詰めこそ重要。しつこく粘り強く取り組んでいきたい」との方針を示した。
会合で安倍首相は「アベノミクスがスタートして4年半。規制改革が一丁目一番地であることに変わりはない。旧来の仕組みにとらわれず、柔軟に規制や制度を見直すことこそが強い経済をつくる。引き続き大胆な規制改革に精力的に取り組んでいただきたい」などと改革姿勢をアピールした。
(写真)左から2人め金丸農業WG座長、大田議長 内閣府記者会見室で23日。
重要な記事
最新の記事
-
関税発動で牛肉の注文キャンセルも 米国関税の影響を農水省が分析2025年4月24日
-
トランプ関税で米国への切り花の輸出はどうなる?【花づくりの現場から 宇田明】第58回2025年4月24日
-
三島とうもろこしや旬の地場野菜が勢ぞろい「坂ものてっぺんマルシェ」開催 JAふじ伊豆2025年4月24日
-
積雪地帯における「麦類」生育時期 推定を可能に 農研機構2025年4月24日
-
日本曹達 微生物農薬「マスタピース水和剤」新たな効果とメカニズムを発見 農研機構2025年4月24日
-
棚田の魅力が1枚に「棚田カード」第5弾を発行 農水省2025年4月24日
-
【人事異動】兼松(6月1日付)2025年4月24日
-
日本生協連「フェアトレード・ワークプレイス」に登録2025年4月24日
-
旭松食品「高野豆腐を国外へ広める活動」近畿農政局 食の「わ」プログラムで表彰2025年4月24日
-
群馬県渋川市の上州・村の駅「お野菜大放出祭」26日から 9種の詰め放題系イベント開催2025年4月24日
-
JA蒲郡市と市内の飲食店がタッグ 蒲郡みかんプロジェクト「みかん食堂」始動2025年4月24日
-
適用拡大情報 殺菌剤「バスアミド微粒剤」 日本曹達2025年4月24日
-
倍率8倍の人気企画「畑でレストラン2025」申込み開始 コープさっぽろ2025年4月24日
-
農業・食品産業技術開発の羅針盤「農研機構NARO開発戦略センターフォーラム」開催2025年4月24日
-
雪印メグミルク、北海道銀行と連携「家畜の排せつ物由来」J-クレジット創出へ酪農プロジェクト開始 Green Carbon2025年4月24日
-
山椒の「産地形成プロジェクト」本格始動 ハウス食品など4者2025年4月24日
-
絵袋種子「実咲」シリーズ 秋の新商品9点を発売 サカタのタネ2025年4月24日
-
『花屋ならではの農福連携』胡蝶蘭栽培「AlonAlon」と取引 雇用も開始 第一園芸2025年4月24日
-
果実のフードロス削減・農家支援「氷結mottainaiプロジェクト」企業横断型に進化 キリン2025年4月24日
-
わさびの大規模植物工場で栽培技術開発 海外市場に向けて生産体制構築へ NEXTAGE2025年4月24日