協同組合政策の国会決議めざす-振興研究議連2017年6月14日
超党派の国会議員でつくる協同組合振興研究議員連盟が6月13日に総会を開き、協同組合政策の確立に関する国会決議を次の臨時国会で採択できるよう働きかけをしていくことなどを確認した。
議連は協同労働の協同組合法(ワーカーズコープ法)の制定が目的のひとつ。同議連会長の河村建男自民党衆議院議員は「政府も働き方改革を政策として表に出してきた」として、これをワーカーズコープ法制定につなげたい考えを示すとともに、山口県森林組合連合会の会長も務めていることから「地域には農協も漁協も生協もある。地域づくりを考えればそれを一つの共同体として考える必要があるのではないか」と協同組合の連携の必要性も強調した。
総会ではワーカーズコープ連合会から法制定に向けた情勢報告と協同組合政策の確立に関する国会決議案が示され、JA全中の比嘉政浩専務が2012年の国際協同組合年の取り組みをふまえて協同組合振興に関する政策確立の重要性について講演した。
比嘉専務は2012年の国際協同組合年を機に、協同組合関係者と有識者らで組織した全国実行委員会による「協同組合憲章」制定に向けた取り組みについて話した。同実行委は2012年1月に協同組合憲章草案を決定し、当時の萬歳JA全中会長らがその制定を政府に要請した。
ただし関係省庁が多く各種の協同組合法が個別に制定されていることなどから政府は制定に消極的だったことから、政府全体として協同組合全体を貫く政策の考え方、方針を示すよう求めた。その結果、政府広報オンラインに基本的な考え方と方針が示された。
そこでは「人と人が支え合い、支え合うことによって生きがいを感じられる社会を形成していくことは重要な視点であり、協同組合はその主要な担い手のひとつ」と明記し、政府として協同組合の発展を後押しする基本的考えとして▽協同組合の価値と原則の尊重、▽協同組合による地域社会の持続的発展への貢献の重視、▽協同組合を事業や経営の有力な担い手として位置づける、の3項目が示された。これは現在の政府広報オンラインでも掲載されている。
こうした取り組みを振り返り、引き続き政府の政策に協同組合の意義を位置づける働きかけが重要だと述べた。
総会では国会決議案が示され、ユネスコによる協同組合の無形文化遺産への登録や国連の持続可能な開発目標(SDGs)でも協同組合の役割が期待されていることなどを指摘し、これまでに政府が示している3項目に加え、▽地域のニーズに即した新たな協同組合の育成、▽協同組合に関する教育も政策の指針とするよう求める内容とした。総会では次の臨時国会で採択をめざすことを確認した。
(写真)協同組合振興研究議連の総会で講演するJA全中の比嘉専務
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