すべては組合員のために-全農の長澤新会長2017年7月28日
JA全農は7月25日の総代会で役員を改選し、総代会後の経営管理委員会で新会長に長澤豊全農山形県本部運営委員会会長(JA山形中央会会長)を選任した。新理事長には神出元一代表理事専務が昇格した。就任会見で長澤新会長は「すべては組合員のために」の姿勢を貫くことを強調した。
長澤氏は記者会見で経営管理委員会で会長に複数の立候補者があったが投票で選任されたと話した。
出身は山形農協で果樹専業農家。「身の丈にあった栽培面積を40数年続けきた」と語り、新会長として「すべては組合員のために姿勢を貫くこと」、「全農自己改革の完遂」、「全農の経営基盤の強化」、「元気な職場風土を築く人づくりの強化」の4つの基本方針を示した。
また、副会長として3年務めてきたが「今まで以上の激流に身を投げ出す覚悟」で取り組む姿勢だと話し、「守るべきものは守り、変えるべきものは変える」、「すべては組合員のためにという原点があれば、最終的には全農があってよかったなと思われる」などと強調した。
経営管理委員には企業経営経験者など外部人材も選任した。
長澤会長は「新しいものをつくりあげてきた実績のある知見の高い方々。21世紀の全農づくりに指導をしてもらいスピード感をもって取り組みたい」と話した。
政府の規制改革推進会議などの農協・全農改革の議論については「自己改革が基本」、「現場の声を反映していきたい」との考えを示した。
現場を知り、率先して実行する職員づくりの強化や、国産農畜産物への理解を深める食農教育に全農として取り組む必要性も指摘した。
大澤憲一副会長は「会長を補佐し新生全農の達成に努力していきたい」、菅野幸雄副会長は「現場の農家は困窮している。営農支援や後継者づくりにも全農として取り組みたい」などと話した。
神出元一理事長は全農の事業改革について「われわれだけでできることことではなく、JAや組合員のなかでも話し合って自らの問題としてスタートできた。1、2年でしっかりレールを敷けるかどうか」と話したほか、真摯に改革を進めながら「気持ちを奮い起こして明るい持続型の農業にする、農村を元気にする、それが国民にもっとも幸せだとアピールしなければならない」とも強調した。
販売事業全般を担当する岩城晴哉専務は抱負として事業改革の「年次計画の達成」を挙げ、購買事業全般を担当する山崎周二専務は「実践はこれから。メーカー、業界にとっても初めてのこと。身を引き締めてやっていきたい」と話した。
総代会では中野会長が退任のあいさつをした。「(新執行部は)全農という組織が農家を守るためにあるのだということを念頭において、今後の運営に携わっていくものと思う。自己改革の実践は言うに及ばず、これまで以上にかけがえのない存在として世の中に貢献をし、輝き続ける全農であって欲しい」と述べた。
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